キリスト教大韓メソジスト教会は、性的マイノリティを祝福したとの理由で破門を宣告したイ・ドンファン牧師に対し、裁判費用2860万ウォンも請求した。イ牧師が控訴するためには寄託金700万ウォンを含め、計3500万ウォン(約384万円)を納付しなければならない。イ牧師は「事実上、控訴せずに(教団から)出て行けという意味」だとして反発した。
18日、イ牧師はメソジスト教会京畿連会から、一審の裁判費用の請求書を受け取った。この請求書は、今年2月15日から12月13日まで18回使われた裁判の費用2864万2532ウォン(約314万円)を請求するというもの。イ牧師はこのような内容を自身のフェイスブックに掲載するとともに、「手が震える。3000万ウォン近い金を出せとは、控訴しないで出て行けという話ではないか」と記している。
イ牧師が控訴(メソジスト教会法では「上訴」)するためには、起訴状の提出期限の22日までに裁判費用と寄託金を含む3500万ウォンを払わなければならない。メソジスト教会法第56条によると、上訴の際、上訴人は一審の裁判費用と上訴審の裁判費用(寄託金)を事前に納付しなければならない。
イ牧師はハンギョレの電話取材に対し、「起訴状提出の締め切り4日前の今朝になって、裁判費用の請求書を受け取った」と述べた。
メソジスト教会京畿連会は今月8日、イ牧師が「同性愛に賛成したり同調したりする行為」を禁ずるメソジスト教会法3条8項に違反したとし、破門を宣告した。イ牧師は2019年の第2回仁川(インチョン)クィアパレードで祝福式を執り行い、それがもとで停職2年の懲戒を受けた後も性的マイノリティを祝福したとして、6月にメソジスト教会の裁判に付された。
イ牧師に請求された2864万ウォンという裁判費用の額は、教団の通常の裁判費用より過度に高く策定されたとみられる。通常、裁判費用は700万ウォン(約76万8000円)前後で、メソジスト教会が寄託金として700万ウォンを策定したのも平均的な裁判費用を考慮したからだ。イ牧師は「前回の裁判でも裁判費用は700万ウォンほどだったので、今回もそれくらいを予想していた」と話した。
今回請求された裁判費用には、裁判委員会の誤りで裁判が長引いたために生じた費用までもが含まれている。「検察」役を果たすメソジスト教会京畿連会の審査委員と、イ牧師を告発した告発人が同じ地方会の所属であることが明らかになったため、公訴が取り下げられるなどで裁判が遅れたが、この過程で支出された費用までもが請求されたのだ。
それだけでなく、正式な裁判が行われる前になされた和解調整手続き(告発人と被告発人が協議する手続き)と審査委員会手続き(裁判の前に被告発人を検事役の審査委員が調査する手続き)で使われた裁判も、「裁判費用」の名でイ牧師に請求された。裁判以外の手続き費用は約1022万ウォン(約112万円)に達する。
イ牧師の法律代理人を務めるチェ・ジョンギュ弁護士(法務法人ウォンゴク)は、「審査委員会の手続きは当然、京畿連会が果たすべき役割だが、どうして裁判費用とみなせるのか疑問だ。裁判委員会が期日を2~3度誤って通知したり、証人の身分事項をきちんと送達しなかったりしたため、期日が空転したりもしている。イ牧師のせいで裁判が遅れたわけではないのに請求している」と指摘した。
イ牧師は「現在、裁判費用をまかなう方法を探っている」としてこの日、メソジスト教会に対して上訴状と共に裁判費用についての異議申し立て書を提出した。