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韓国女性家族部長官、「両性平等政策協議体」会議を一度も主宰せず

登録:2023-11-02 08:45 修正:2023-11-02 10:53
公式日程がない時も会議欠席 
「四半期に1度開催」原則も崩れる
キム・ヒョンスク女性家族部長官が31日午後、ソウル鍾路区の政府ソウル庁舎で、オンラインで行われた第10回女性暴力防止委員会に出席し、あいさつしている/聯合ニュース

 女性家族部は政府の性平等政策の現状を共有し、今後の計画などを議論するために「両性平等政策担当官協議体」(以下、「協議体」)を設置しているが、協議体の委員長を務めるキム・ヒョンスク女性家族部長官が長官就任後、協議体の会議を一度も主宰していないことが確認された。性平等政策の主務省庁の長官としての職務を疎かにしているのではないかと指摘される。

 ハンギョレが1日、第1回の2019年3月21日から今年9月26日までに計26回開催された協議体会議のすべての資料を入手して分析したところ、キム長官が就任した昨年5月17日以降、計6回(21~26回)の会議が開催されたが、このうちキム長官が主宰した会議は一度もなかった。

 協議体は8つの政府省庁(雇用労働部、教育部、保健福祉部、文化体育観光部、法務部、国防部、最高検察庁、警察庁)の両性平等政策担当官らが集まって各省庁の性平等政策の履行状況を点検するほか、性平等政策の発掘などを協議する機関。

 協議体の委員長を務める女性家族部長官がやむを得ない理由により職務を遂行できない場合は、長官が指名する委員がその職務を代行するという規定(両性平等政策担当官協議体運営規定)があるが、キム長官は第21回会議(昨年6月29日)と第26回会議(今年9月26日)の当日には特に公式日程がなかったにもかかわらず、会議に出席していなかった。

 前任の女性家族部長官も協議体会議の主宰回数は多くなかったが、任期中に会議を一度も主宰しなかった長官はキム長官が唯一だ。チン・ソンミ元長官は在任期間中に開催された3回(1~3回)の会議中1回、イ・ジョンオク元長官は9回(4~12回)中2回、チョン・ヨンエ前長官は8回(13~20回)中1回、それぞれ主宰している。

 会議の出席者たちは、女性家族部廃止を掲げた尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権では、会議がやや萎縮した雰囲気の中で行われていると語った。匿名のある出席者は「かつては両性平等政策の各担当官が各省庁内で性平等業務を担っている過程で抱える苦悩を打ち明け、どのように対応すればよいかを議論するなど、会議は活気を帯びていたが、現政権になってからは新たな性平等政策の課題を発掘することも難しくなっている」と明かした。

 このような雰囲気の中、尹錫悦政権の成立以降は「四半期に1回開催」という原則さえも崩れ、今年第2四半期には会議が開かれてもいない。女性家族部は「各省庁間の案件調整などで多少遅れ、7月31日(第3四半期)に第2四半期の会議をおこなった」と説明した。

 専門家は、政府の性平等政策の継続性を保つためにも、女性家族部長官はきちんと役割を果たすべきだと指摘する。国会立法調査処のチョン・ユンジョン立法調査官は「国の性平等政策の企画・総合事務を任されている女性家族部長官なら、継続的な性平等政策の推進のために現行の両性平等政策担当官制度の運用に関心を持つべきで、この制度を安定的に維持するために協議体会議を内実あるものにしていかなければならない」とし、「女性家族部長官は他の省庁の長官とも緊密に協議し、性平等の専門省庁が他の省庁にも拡大されるよう努めるべきだ」と述べた。

オ・セジン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/1114615.html韓国語原文入力:2023-11-02 06:00
訳D.K

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