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[独自]ジャンボリー、たった一度の現場報告会に長官委員長3人とも欠席

登録:2023-08-16 08:32 修正:2023-08-17 11:05
5月に行われた報告会、組織委員154人のうち参加は40人
8日午前、全羅北道扶安郡のセマングム世界スカウトジャンボリーの会場。隊員たちがバスに乗るために移動している=ペク・ソア記者//ハンギョレ新聞社

 「2023セマングム第25回世界スカウトジャンボリー」開幕を3カ月ほど先に控えた5月、ジャンボリー組織委員に対する「現場訪問報告会」が開催されたが、5人いる共同組織委員長のうちキム・ヒョンスク女性家族部長官ら3人の政府側委員長は全員が参加していなかったことが確認された。この報告会は実務レベルの最終点検会議の後に行われたもので、ジャンボリー組織委が現場におけるジャンボリーの準備状況を検討できるようにするために設けられた最初で最後の場だった。政府側の共同組織委員長が参加しなかったことで「予告された失敗」を正す機会を逃したと指摘する声があがっている。

 全羅北道扶安郡(プアングン)のジャンボリー会場近隣の「新再生エネルギーテーマパーク」でジャンボリー組織委員に対する「現場訪問報告会」が行われたのは、5月10日午前11時から。ハンギョレが15日に確保した「ジャンボリー組織委員現場訪問報告会」と題する文書によれば、報告会に参加したのは共同組織委員長である共に民主党のキム・ユンドク議員、韓国スカウト連盟のカン・テソン総裁、執行委員長であるキム・グァンヨン全羅北道知事ら40人のみ。組織委員会はジャンボリーの総合・運営計画および関連施設の設置・利用計画を樹立し実行する「主体」だが、参加したのは154人いる組織委員のわずか26%だった。

 特に注目されるのは、キム・ヒョンスク女性家族部長官、ハン・チャンソプ行政安全部長官職務代行(イ・サンミン長官は弾劾審判で職務停止)、パク・ポギュン文化体育観光部長官ら政府側の共同組織委員長は全員が欠席していること。欠席した組織委員の中には、ジャンボリーの国会所管常任委員会である女性家族委員会所属のクォン・インスク(委員長、民主党)、ユ・ジョンジュ(当時の野党幹事、民主党)両議員と、与党幹事のチョン・ギョンヒ議員(国民の力)も含まれている。

 この日の現場報告会は、ジャンボリーに参加する52カ国の代表団、韓国スカウト連盟、ジャンボリー組織委の職員ら実務レベルで5日間(4月27日~5月1日)にわたって行われた最終点検の直後に開催された。「最終意思決定権者」である組織委員を呼んで、準備の整った現場を見回れるようにするために用意された場だった。

 午後4時まで行われた報告会で、組織委員たちはジャンボリー参加者に提供される給食の品質を点検するとともに、会場全体が見渡せる景観休憩所、キャンプ場、会場内のグローバル青少年リーダーセンターの工事現場、森で縄遊びができる故沙浦(コサポ)営外課程活動場などを順に視察した。報告会直前の子どもの日の連休の3日間に、扶安郡には150ミリの雨が降り、キャンプ場では浸水被害が発生していた。実質的な予算執行権限を持つ女性家族部長官をはじめ、組織委員がこの時現場をきちんと見回ってさえいたら、その後に発生する諸問題をもう少し早く正すこともできたということだ。

 さらに当時の現場報告会は、組織委員長が2人体制から5人体制に拡大(2月28日)されて初めて共同組織委員長全員がそろってジャンボリーの現場の準備状況を議論できる機会でもあった。共同組織委員長全員が一堂に会したことは、この日を含めてジャンボリー開幕まで一度もなかった。組織委は計11回の「委員総会」を開催したが、ほとんどが書面会議のかたちで開催されたという。委員総会は組織委員長、執行委員、委員らで構成された組織委の最高議決機関だ。ジャンボリー開催直前の先月に最後に開かれた委員総会も書面会議方式で、審議されたのは組織委員の変更・選任案件のみだった。

 韓国スカウト連盟のある関係者はこのことに触れつつ、「唯一の現場報告会の場に(共同委員長を含めて)委員の半数も出席しなかったのは失望させられる」と述べた。

オ・セジン、チェ・ユンテ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/1104445.html韓国語原文入力:2023-08-16 05:00
訳D.K

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