ソウル瑞草区(ソチョグ)の小学校教員の死を皮切りに教員の死亡事件が相次いでいる中、大田(テジョン)の小学校でも40代の教員が自殺した。亡くなった教員は数年間にわたって保護者のクレームに苦しみ、精神的ストレスを訴えていたという。
大田儒城(ユソン)警察署は8日、大田のある小学校の教員Sさん(42)が5日午後9時20分ごろに自宅で自殺を図り、病院に運ばれたものの、2日後の7日に死亡したと発表した。Sさんの夫は警察の調査で、「妻は3年前に在職していた小学校の保護者に児童虐待で告訴されるなど、悪質なクレームに苦しめられていた。嫌疑なしとされて学校も異動しているが、当時の精神的な衝撃が大きく、病院で治療を受けてきた」と述べた。
今年で教職生活20年になるSさんは、2019年に勤務していたある小学校で、一部の保護者たちの悪質なクレームに苦しめられていたという。当時、Sさんは1年生の担任だったが、生徒が授業時間に言うことを聞かなかったため叱った。生徒の両親は「子供に恥をかかせた」として学校と教育庁にクレームを入れたのに続き、児童虐待などの疑いでSさんを警察に通報したという。Sさんは、児童虐待については1年後の2020年10月に嫌疑なしとされた。
大田教師労組の関係者は「(担任をしていた1年生の)児童が進級してから生じた問題についても『1年生の時の担任のせい』だという保護者のクレームが相次ぎ、3年間にわたって故人は苦しめられていた」と話した。Sさんは当時の事件のせいで精神科の治療を受けていた。先日のソウル瑞草区の教員死亡事件に接し、過去の苦痛が思い出されて苦しんでいたという。
教員団体はSさんの死の真相究明と、教育活動の過程で発生した紛争で苦しむ教員のための対策を求めた。大田教師労組のイ・ユンギョン委員長はこの日発表した報道資料で「大田市教育庁は亡くなった先生の死亡原因を明白にし、二度とこのようなことが起きないよう対策を立てるべきだ」と述べた。全国教職員労働組合も文書で「各市道教育庁に特別機関を設置し、悪質クレームや児童虐待通報、保護者による民刑事訴訟などに苦しむ教員の事例を全数調査せよ」と訴えた。
一方この日、忠清北道清州市興徳区(チョンジュシ・フンドック)のあるマンションの花壇で、30代の小学校教員Aさんが死亡しているのが発見された。今年3月に清州のある小学校に転入し、クラス担任をしていたAさんは、6月中旬に病気休暇を取ったのに続き、先月中旬から休職状態だった。警察は自殺とみて事故の原因や経緯などを調べている。