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ユ・スンジュンさんの韓国入国の道開かれるか…司法「ビザ発給すべき」

登録:2023-07-14 05:44 修正:2023-07-14 10:48
司法「兵役忌避者でも一定年齢を超えればビザ発給」
歌手のユ・スンジュン(スティーブ・スンジュン・ユ)さん/聯合ニュース

 兵役忌避で21年間にわたり韓国入国が禁止されている歌手のユ・スンジュンさん(スティーブ・スンジュン・ユ、47)が、韓国入国ビザの発給を求めた2回目の訴訟の二審で、一審を覆し勝訴した。

 ソウル高裁行政9-3部(チョ・チャニョン裁判長)は13日、ユさんがロサンゼルス総領事を相手取って起こしたパスポート・査証発給拒否処分取り消し訴訟で、原告勝訴の判決を下した。米国の永住権を持っていたユさんは公益勤務要員として招集通知を受け取っていた状況で、2002年1月に国外公演などを理由として出国し、米国の市民権を取得した。「兵役忌避」疑惑が持ち上がったことから、当時の法務部長官は兵務庁長の要請を受けてユさんの入国を禁止した。21年がたった今までにユさんは入国ビザ発給を2度申請しているものの、いずれも拒否された。

 同高裁は「20年あまりがたった今もユさんに滞在資格を認めてはならないという社会的な声は強く、これを大衆の法感情とみなすことはできないということは裁判所も認知している」としながらも、「2015年8月にビザ発給を申請したユさんには、国籍を放棄した兵役忌避者であっても38歳以降はビザを発給するよう定めた(2015年当時の)旧在外同胞法を適用すべきだ」とし、ユさん勝訴の判決を下した。

 現行の在外同胞法は、兵役を忌避した外国籍の同胞に対してはビザの発給を拒否でき、「法務部長官が必要だと認めた場合は、41歳になる年から在留資格を付与できる」と定めている。

 今は法務部長官の裁量によって兵役を忌避した外国籍の同胞に対して在留資格の付与を拒否する余地もあるが、ユさんが初めてビザを申請した当時の在外同胞法は兵役を忌避した外国籍同胞であっても38歳を超えればビザを発給するよう定めていた、というのが裁判所の判断だ。

ソウル高裁行政9-3部は、ユさんが駐ロサンゼルス総領事を相手取って起こしたパスポート・査証発給拒否処分取り消し訴訟で、一審を覆し原告勝訴の判決を下した。13日午後、瑞草区のソウル高裁前でリュ・ジョンソン弁護士が取材陣の質問に答えている/聯合ニュース

 裁判所は、ユさんは「滞在資格付与除外事由」の中の「大韓民国の安全保障、秩序維持、公共の福利、外交関係など、大韓民国の利益を害する恐れがある場合」に当たるとした総領事館側の主張を退けた。在外同胞法が「滞在資格付与除外事由」で兵役忌避を別途定めている限り、その他の理由を適用するためにはユさんによる2002年の兵役回避行為とは別の行為や状況がなければならない、ということだ。

 ユさんが韓国入国ビザの発給を求めて起こした訴訟で勝訴したのは、これが初めてではない。2002年の入国禁止以降、韓国の地を踏めていないユさんは、満38歳となり兵役義務が解除された2015年8月、在外同胞ビザ(F-4)の発給を申請した。駐ロサンゼルス総領事館がこれを拒否したことに対し、ユさんは最初の訴訟を起こしたが、一審と二審では敗訴した。

 だが最高裁は2019年、「過去に法務部の入国禁止決定があったという理由だけでロサンゼルス総領事館が裁量権を行使せずにビザ発給を拒否したことは違法だ」として事件を破棄しており、破棄差し戻し審を経て2020年3月に最高裁でユさんの勝訴判決が確定している。

 最高裁判決が出たにもかかわらずユさんが再び裁判を起こしたのは、2020年7月に2度目のビザ発給申請が再度拒否されたためだ。当時、総領事館は「最高裁破棄差し戻しはユさんの在外同胞在留資格の査証の発給を命じるとの趣旨ではない」として発給を拒否したが、13日に裁判所は「2019年の最高裁判決も同じ趣旨」だとして総領事館の解釈も正した。

イ・ジヘ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/1099982.html韓国語原文入力:2023-07-13 16:02
訳D.K

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