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ツウィの台湾国旗問題を生んだ所属事務所JYPの無知と損得勘定

登録:2016-01-19 07:43 修正:2016-01-19 14:31
ガールグループTWICEのメンバー、ツウィが放送番組で台湾の国旗を振ったことをめぐる問題が続く中、18日、ソウル江南区のツウィの所属事務所JYPエンターテインメントにパク・ジニョン代表の顔写真がかけられている=聯合ニュース

 「ツウィは何も知りません」。昨年、MBC放送の1人放送番組「マイ・リトル・テレビ」(マリテレ)のインターネットファンサイト「マリテレギャラリー」を埋め尽くしたコメントだ。ガールグループ「TWICE」のメンバー、ツウィのファンが、ツウィのマリテレ出演を望む気持ちを込め、マリテレ製作陣の注意を引くため、特に意図もなしに寄せたコメントだった。だが最近大きくなったツウィの事態を思うと、その後のツウィの境遇を予告していたかのように聞こえてくる。

 このコメントの効果があったのか、結局ツウィは昨年11月22日にマリテレに出演することができた(放送は11月28日)。その後は知られている通り。ツウィはマリテレで青天白日期を振ったことで中国から非難され、公式に謝らねばならなくなり、そのことが再びツウィの母国台湾で激しい逆風を呼んだ。

 問題が大きくなったのは8日、中国で活動する台湾出身の歌手の黄安が「ツウィは台湾独立分子」とウェイボで非難してからだ。中国のネットユーザーと官営のメディアが噛みつき、ツウィの所属事務所JYPに対する非難へとつながった。結局、15日にJYPのパク・ジニョン代表とツウィが謝罪映像をユーチューブに載せた。パク代表は「ツウィのご両親に代わってちゃんと指導できなかった過ちが大きい」とし、憔悴した表情のツウィは「台湾と中国は一つ」と言って「反省する」と口にした。

 こうなるまでのJYPの対応には2種類の問題があったようだ。まず“無知”だ。台湾出身の歌手を中国で活動させるようにしておきながら、中国と台湾の分断と情緒的対立の歴史について真面目に考慮しなかった。2000年代初期、歌手ユ・スンジュンをはじめ、韓国は在米同胞に「あなたの国はどこ」と問い続けた。日本で主に活動したあるガールグループは、2013年のカムバック記者会見で「独島(ドクト)に対する立場を明らかにしてください」という質問に答えられず非難されたこともあった。ところが反対に、多くのアジアのメンバーがKポップのメンバーとして活動している状況にあるのに、韓国は“彼らの国”が直面する状況と情緒についてあまりにも分かっていないようだ。昨年11月に放映されたある芸能番組で、ツウィを紹介するのに台湾と言っておきながらタイの国旗を出した。今回のマリテレの放送でも、ツウィは製作スタッフがなんの考えもなく持ってきた国旗を振っただけだった。文化評論のイ・ドンヨン氏は「今回の事態はエンターテインメント従事者の無知の所産」と批判し、「人種、民族、冷戦状況がからまった中華圏の事情に企画会社がなんの学習もしていない」と指摘した。

 JYPの対応は思慮深さからもほど遠かった。中国市場が重要なJYPは「ツウィ直接謝罪」の要求を素直に受け入れた。ツウィは放送製作スタッフに言われるまま自国の国旗を振っただけなのに、震える声で謝り、頭を下げねばならなかった。台湾の人たちは、10代のツウィが歪曲された非難で強要された謝罪をしたと受けとめている。JYPはツウィを謝罪に追いこむのに先立ち、彼女と台湾の人たちを傷つけないよう、繊細に事態を解決させる方法を考えることができなかったのだろうか。“人に対する礼”が損得勘定に優ってはならないはずだ。

グ・ドゥルレ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2016-01-18 21:05

https://www.hani.co.kr/arti/culture/culture_general/726719.html 訳Y.B