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巨大なマイワシの群れが韓国に来襲…「食べて片付けよう」?

登録:2023-06-07 04:02 修正:2023-06-07 08:15
慶尚南道と昌原市、死ぬ直前に水産資源として活用計画 
昨年も大量死、でも急増の原因は不明
昨年10月、慶尚南道昌原市馬山合浦区の3・15海洋ヌリ公園の沿岸を埋め尽くしたマイワシの死骸を、昌原市が漁業者を動員して回収している=昌原市提供//ハンギョレ新聞社

 マイワシの群れの東南海(トンナムへ)岸への来襲が差し迫っている中、今年は昨年より時期が早く、量も多い可能性が高いとする分析が示されている。しかし対策もなく被害にあった昨年とは異なり、今年はマイワシを水産資源として活用する方策を探るなど、各自治体も事前準備に乗り出している。

 国立水産科学院は5日、「連続魚卵採集機や科学魚群探知機などの様々な機器を用いて3月からマイワシ資源の変動を集中調査してきた結果、今年もマイワシの群れが韓国沿岸に流入すると予想する」と発表した。国立水産科学院が慶尚南道統営(トンヨン)の沖で月に一度実施している定置網を使った水産資源の動向調査によると、2021年にはマイワシは全くかからなかった。ところが昨年は6月からマイワシがかかりはじめ、6~9月には漁獲物に占める割合が48~86%にのぼった。

 注目すべきは、今年はマイワシが4月からかかりはじめ、4月には漁獲物に占める割合が70%、5月には91%に達したことだ。昨年より2カ月ほど早いうえ、割合もはるかに高い。国立水産科学院水産資源研究センターのイ・スンジョン研究官は「鎮海(チンへ)湾で5月からマイワシの群れの規模や移動経路などを綿密に調査しているが、様々な兆候を総合すると、今年もマイワシの群れが沿岸に大量流入する可能性が高い」と語った。

 昨年秋に海岸に押し寄せたマイワシの死骸を片付けるのに大きな困難をきたした慶尚南道と昌原市(チャンウォンシ)は、マイワシ活用対策の立案に追われている。海岸に押し寄せて死んだマイワシは海洋廃棄物だが、生きているうちに捕獲すれば水産資源だからだ。両自治体は先月、漁業者と数回にわたって対策会議を行った。そこで下された結論は「マイワシの群れが沿岸に押し寄せて死ぬ前に積極的に捕獲し、商品化する」というもの。ひとまず6月にとれる体長17センチ以下の小さなマイワシは蒸して干し、煮干しのような出汁用の干物にすることにした。7月以降にとれる大きなマイワシは冷凍して養殖場の飼料として供給し、30センチ以上の成熟したマイワシは缶詰にする計画だ。

 海洋水産部も「漁業規制緩和モデル事業」として、タクチイワシ権現網水協所属の慶尚南道の7船団、全羅南道の3船団に対してマイワシの混獲を認めた。昨年まではカタクチイワシ漁船がカタクチイワシをとる過程でマイワシなどの別の魚種をとるのは違法だったが、今年は他の魚種もとれるようになったわけだ。水産業界は、カタクチイワシの禁漁期が終わる7月1日からカタクチイワシ漁船が出漁すれば、海岸に押し寄せて死ぬイワシの量を大幅に減らせると期待している。

 慶尚南道水産資源課の担当者のアン・ヨンソク氏は「慶尚南道のマイワシの漁獲量は2021年には全くなかったが、昨年は9200トンで、今年ははるかに多いと予想している。今年はマイワシを水産資源として活用するために、冷凍倉庫の確保などの対策を立てている」と話した。昌原市沿岸管理課のキム・ドンソプ課長も「海であらかじめとったとしても、海岸まで押し寄せて死ぬマイワシは少なくないだろう」とし「この物量を処理するために堆肥化施設、焼却場、2社の民間処理業者を確保してある」と語った。

 昨年秋、マイワシの群れが突如として釜山(プサン)、昌原、巨済(コジェ)、統営などの南東海岸に押し寄せた。壺のように入口が狭くなっている昌原市の馬山(マサン)湾や鎮東(チンドン)湾などに押し寄せたマイワシは、湾から脱出できずに大量死した。昌原市は9月末から10月末までの1カ月にわたり、海岸でマイワシの死骸226トンを回収した。マイワシの重さを1匹当たり20グラムとすると、1130万匹を回収したことになる。事態の初期に昌原市は死んだ魚を「ニシンの幼魚」と発表するなど、初めての状況に混乱した。韓国沿岸にマイワシ資源が急増した理由はまだ明確になっていない。

チェ・サンウォン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/area/yeongnam/1094752.html韓国語原文入力:2023-06-06 11:00
訳D.K

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