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韓国東海沖で1カ月で30年分の地震…「東日本大震災後、地震誘発環境に変わった」

登録:2023-05-23 06:36 修正:2023-05-23 14:01
江原道東海市の北東52キロメートルの海域でマグニチュード4.5の地震が発生した15日午前、ソウル銅雀区の気象庁で関係者が地震の発生場所と深度の分析資料を調べている/聯合ニュース

 江原道東海市(トンヘシ)の北東52キロメートルの海域で、22日深夜3時39分頃、マグニチュード2.3の地震が発生した。15日に今年の朝鮮半島で最大となるマグニチュード4.5の強い地震が発生してから、わずか1週間後のことだ。この近くでこの日までの1カ月間に発生した地震は61回で、1993~2022年までの30年間にこの地域で発生した地震の回数(合計56回、マグニチュードは最大で4.2)を上回る。遠い海洋で発生した地震であるため内陸には大きな影響は及ぼしていないが、いまだ形態がよく把握されていない「未知の断層」で発生したと推定されており、より大きな地震が来るのではないかという懸念も強まっている。

 気象庁は、地震の震源を江原道東海市から北東に52キロメートル離れた海域(北緯37.87度、東経129.52度)、震源の深さは28キロメートルと分析した。震源の深さが違うだけで、今年の朝鮮半島で3番目に大きいマグニチュード3.5の地震(4月25日)と最大のマグニチュード4.5の地震(5月15日)が発生した地点と同じだ。今回の地震が遠い海の深い場所で発生したために、多くの人々が感じることのできない水準(最大震度1)にすぎなかったが、似た地点で地震が頻発しており、より大きな地震の前兆ではないのかという不安が高まっている。多くの専門家らは、一定期間に連続して地震が発生した類似の事例と比較した場合、より大きな規模の地震が発生する可能性は「少ない」という側に重きを置いている。実際、2013年に忠清南道保寧(ポリョン)近くの海域や全羅南道海南(ヘナム)の内陸でも、それぞれ3カ月間に60回、1カ月半の間に76回程度の「群発地震」(限定された地域で一定期間に頻発する小さな地震)が発生したが、最大のマグニチュードの地震は、それぞれ3.1と3.5にすぎなかった。釜山大学のソン・ムン教授(地質環境科学科)は「韓国では群発型地震が頻繁に起こる」と述べた。

最近の東海市近海での地震発生状況。資料:韓国気象庁//ハンギョレ新聞社

 最近頻発している東海(トンヘ)での地震に対する不安が強まっているのは、最近地震が発生している地点が、すでによく知られている断層とは関係ない場所であり、具体的な研究がなされていないためだ。気象庁は15日、専門家会議を通じて、最近の東海岸の地震が横方向の圧力によって上盤が上昇した断層である「逆断層」で発生したとみつつも、今回の地震が発生した場所は、東海の海底の大きな断層である厚浦(フポ)断層や鬱陵(ウルルン)断層の「北側」とだけ推定した。気象庁が、「より大きな規模の地震が発生する可能性は低いが、排除できない」としたうえで、地震の危機警報の段階を「関心」から「注意」に引き上げたのは、そのような点を考慮したものとみられる。

 釜山経済大学のキム・ヨンソク教授(環境地質科学専攻)は、今回の地震が発生した地点を、鬱陵断層の北端部分についている一種の「枝断層」と推定し、15日に発生したマグニチュード4.5の地震を、「本震」が起きる前に来た「前震」が発生した可能性もあるとみている。キム教授は「この断層が10キロメートル以上大きく裂けた場合、マグニチュード6.0程度の地震が発生する可能性がある」と述べた。

 また、2011年の東日本大震災後、朝鮮半島が日本列島の方向に3センチメートル程度引きずられていき、これまで地震があまり起きていなかった場所が活性化しているという分析も出ている。延世大学のホン・テギョン教授(地球システム科学科)は「江原道東海市に近い海域は、2019年までは地震はほとんどなかった」としたうえで、「(東海市の北東50キロメートルの)地域で地震が発生したのは、(断層が)丈夫で強い構造だったのが、東日本大震災で応力が不均衡になり、地震誘発環境に変わったため」だと述べた。

キ・ミンド記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/environment/1092849.html韓国語原文入力:2023-05-23 05:00
訳M.S

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