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「福島原発処理水はきれいな水」と主張した英国教授、韓国国会で「10リットル飲む」

登録:2023-05-20 05:40 修正:2023-05-20 07:39
オックスフォード大学のウェード・アリソン名誉教授が19日、ソウル汝矣島の国会で開かれた与党「国民の力」の「私たちの海を守る検証TF」招待懇談会で「放射能恐怖怪談と福島」をテーマに講演している/聯合ニュース

 「福島原発の処理水1リットルを飲むこともできる」という発言で論議を呼んだ英国オックスフォード大学のウェード・アリソン名誉教授(82)が、今度は「(1リットルの)10倍ほどの水も飲むことができる」と述べ、汚染水の安全性を繰り返し擁護した。福島産水産物は放射能の影響がなく安全なのかという質問には、「韓国産水産物や他の地域の水産物と同じ」であり問題はないとする趣旨の返答をした。

 与党「国民の力」の「わが海を守るための検証タスクフォース(TF)」は19日、国会にアリソン教授を招待し懇談会を開いた。40年以上にわたり放射線分野で研究してきたアリソン教授は、15日のに行なわれた韓国原子力研究院の招待記者会見で、「多核種除去設備(ALPS)で処理された福島原発の処理水が私の前にあれば、希釈されていない状態でも1リットル飲める」と述べ、論議を呼んだ。

 アリソン教授は、この日も福島原発汚染水の放出は安全だと主張した。アリソン教授は「水を飲んだとしても(放射性物質の半減期である) 2週間程度が経過すれば、(放射線の数値は)緩和されるだろう。10倍ほどの水も飲むことができる」として、「私がまだ福島の(原発汚染)水を飲めていないのは、機会がなかったため」だと述べた。

 福島原発汚染水が人体に及ぼす影響は、医療用CTなどから出た放射線より数値は低いとも述べた。アリソン教授は「CTスキャンの場合、全身で浴びるか一部だけ浴びるかによって変わることはあり得るが、(福島原発汚染)水を飲んで浴びる放射線量の数値ははるかに低いだろう」としたうえで、「一般的に浴びる可能のある(放射線量の)数値と比較した場合、それほど高いものではない」と述べた。

 韓国で輸入再開に懸念が生じている福島産水産物の安全性については、「(汚染水の)放出が始まれば、放出自体も長期間にわたり行われるため、(放射性物質の)濃度ははるかに低くなるだろう。したがって、福島産水産物は、韓国産水産物や他の地域の水産物と同じだと考える」と述べ、安全だとする趣旨で答えた。ただし、TF委員長のソン・イルジョン議員は「福島県をはじめとする近隣8県の水産物は輸入しないと(政府が)発表した」と述べ、福島産水産物の輸入禁止の方針を強調した。

 アリソン教授は、「日本が提供する福島原発汚染水の放出関連の情報は信頼できるのか」という趣旨の質問には、「日本が(国際原子力機関(IAEA)などの)機関をだますとは考えられない。IAEAも(汚染水の放出過程をモニタリングする)自分たちの役割を誠実に遂行すると考えている」と断言した。

 ソン議員は、福島原発汚染水の放出をめぐる各種の懸念を「怪談」と規定した後、「科学的に国民に納得させる事案であり、狂牛病やTHAAD(高高度防衛ミサイル)の怪談のようにアプローチすると、漁業者が被害を受けることになる」として、「トリチウムに対して恐れが強いようだが、日本が出すトリチウムが多いと言うのであれば、中国の原発から西海(黄海)に出される量ははるかに多い」と述べた。

シン・ミンジョン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/assembly/1092520.html韓国語原文入力:2023-05-20 00:31
訳M.S

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