16日、尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が看護法制定案に再審議要求権(拒否権)を行使した直後、政府は、看護師の処遇改善は国が責任を持つとして看護師団体の懐柔に乗り出した。一方で、すでに国会本会議で可決された改正医療法(別名「医師免許取り消し法」)についても再改正を推進する方針だ。
チョ・ギュホン保健福祉部長官はこの日午後、政府ソウル庁舎でブリーフィングを行い、「4月25日に発表した看護人材支援総合対策を着実に実行し、看護師の勤務環境を責任を持って改善する」と強調した。福祉部は、「第2次看護人材支援総合対策」を通じて、患者の重症度の高い大病院では1人の看護師が受け持つ患者を5人までとすると述べた。
ただし、実現の具体的な時期については言及していない。大学病院などの上級総合病院では現在、1人の看護師が平均16.3人の患者を受け持っている。
福祉部は、専攻医と類似した業務を行うものの、医療法上は不安定な地位にあるPA看護師(Physician Assistant、診療補助人材)についても、年末までに業務指針と支援対策を策定することを決めた。1万人ほどと推計されるPA看護師たちは、医師の役割を一部代替する過程で違法な医療行為を行っていると解釈される余地がある。
いっぽう福祉部は、国会本会議で可決され、大韓医師協会(医協)から反発を受けている改正医療法(医師免許取り消し法)について、再改正を推進すると発表した。改正医療法は、医師が医療行為中に発生した業務上過失致死傷罪を除く犯罪などで禁錮以上の刑を受けた場合は、免許を取り消すとしている。チョ・ギュホン長官は「どのような犯罪であろうと禁錮以上の刑を受ければ医師免許を取り消すというのは行き過ぎだという世論があるのは事実」とし、「法改正の方向性について政府与党間で協議を進める」と語った。