韓国政府は福島第一原発の「汚染水」という用語を「処理水」に変更することを検討しているが、与党からも「『汚染処理水』というの正しい」と主張する声があがった。これに対し、野党はもちろん、与党内部からも批判の声が相次いでいる。
与党「国民の力」の「わが海保護検証タスクフォース(TF)」委員長を務めるソン・イルチョン議員は11日、ハンギョレの電話取材に対し「(日本の原発汚染水浄化施設)ALPS(多核種除去設備)という機器でろ過された汚染水の正確な用語は『汚染処理水』」だとし「処理された水まで汚染水とは言えない。(日本が)海に放出しようとしているのは処理された水」だと述べた。同党のハ・テギョン議員も、同日の韓国放送(KBS)のラジオの番組で、「(汚染水という)用語の訂正がまず必要で、厳密には『汚染処理水』」だとし、「汚染水を一度ろ過した汚染処理水について、IAEA(国際原子力機関)は放出できるほど浄化されているかどうかを確認するのであり、(23~24日ごろに福島第一原発を現場視察する)韓国視察団は(このような)処理過程を検証するもの」と述べた。
このような主張に対して、党の内外から批判の声があがっている。国民の力のイ・ジュンソク前代表はこの日、自身のフェイスブックで「北朝鮮から飛んでくるものは誰かがいくら発射体と名を変えようとしても、国民はそれがミサイルであることを知っていた」とし「日本が放出するものの名前を何に変えようと、国民の考えは大きくは変わらないだろう」と述べた。同党のホ・ウナ議員もフェイスブックで「原子力安全委員会には『汚染水』という名称を変更する計画はない。まだ韓国の調査団が日本に行ってもいないし、きちんと直接確認したことも一つもない」とし「なのに『汚染水』を『処理水』とあらかじめ答えを定めておいて変えようとするのはなぜか。国民が不安に思っているのに、フレームを換えて何を得ようとしているのか」と述べた。
共に民主党のパク・ソンジュン報道担当はこの日の書面ブリーフィングで「いったい誰のために放射能汚染水を汚染処理水と呼び換えようというのか。政府は日本の放射能汚染水の海洋放出を支援しようとしていると考えるしかない」と述べた。そして「用語変更は日本の要請なのか。それとも尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の日本に対する善意なのか」と付け加えた。