福島第一原発汚染水の海洋放出を担当する日本の主務省庁の大臣が、23~24日に訪日する韓国視察団の目的は「汚染水の安全性についての評価や確認」ではないと述べた。今回の視察が、大統領室が主張した「韓日共同検証」ではなく、現場を見て回る「見学」の性格であることを明確にしたものとみられる。
西村康稔経済産業相は9日、閣議後の記者会見で、韓国視察団の目的について「あくまで韓国側の理解を深めてもらうための対応で、処理水(汚染水)の安全性について評価や確認を行うものではない」と述べた。さらに「今回韓国からの視察を受け入れることで、理解が深まることを期待したい」と付け加えた。
さらに、福島原発汚染水の海洋放出の検証は、国際原子力機関(IAEA)レベルで行われているという点も改めて強調した。西村経産相は「今回の視察は(韓日)双方がIAEAの取り組みを前提として調整しているもの」だとしたうえで、「今年の前半にはIAEAの最終報告書が公開される予定であり、その結果を踏まえながら高い透明性をもって情報発信を行い、韓国を含む国際社会の理解調整に努めていきたい」と述べた。汚染水の安全性の確認は韓国視察団が介入する領域ではない点を明確にしたのだ。
また、韓国視察団が特別な事例ではないという点にも言及した。西村経産相は「これまで外国政府の視察は積極的に受け入れている」とし、訪問した韓国視察団に「処理水タンクの状況や工事の進捗、処理水の放出の方法などについて丁寧に説明する予定」だと述べた。西村経産相の説明どおり、台湾(昨年3月11日)、太平洋島しょ国(今年2月)などが福島原発を訪問した。
林芳正外相も同日の定例記者会見で、「両国首脳が韓国内の理解を深めるという観点から、今月中に韓国専門家視察団を派遣することで意見が一致した。処理水の安全性について韓国の方々の理解が深まることを期待する」と述べた。 また「引き続き高い透明性を持って科学的根拠に基づき誠実な説明を行っていく」と付け加えた。
このような日本政府の立場について、外交部当局者は「具体的な(視察の)内容は両国局長級協議を通じて決める」と述べた。同当局者は「予断するのは難しいが、今後開かれる韓日局長級協議で最大限私たちが必要とする追加情報が確保できるよう協議を進める計画」だと付け加えた。外交部はその他の充実した視察が行われるよう、当初公開した22~23日の1泊2日より日程をやや増やす方向で検討を進めているという。
尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領と日本の岸田文雄首相は7日、東京電力福島第一原発に韓国視察団を派遣することで合意した。日本政府は福島原発汚染水(132万トン)の放射性物質濃度を法的基準値以下に下げた後、今夏から30年かけて海に放出する予定。多核種除去設備(ALPS)で除去されないトリチウムは基準値の40分の1以下に濃度を希釈して海に放出することになる。