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韓国の慶尚南道、「汚染水の海洋放出」への反対姿勢軟化…政府の態度変化を感知したか

登録:2023-05-12 01:26 修正:2023-05-12 11:40
慶尚南道のキム・ジェホン海洋水産局長(中央)が11日、「福島原発汚染水の海洋放出に備えた水産物安全管理強化案」を説明している=チェ・サンウォン記者//ハンギョレ新聞社

 日本の福島原発汚染水の海洋放出に対して強く反対していた慶尚南道が一歩退くような態度を示し始めた。

 慶尚南道は11日、記者会見を開き「福島原発汚染水の海洋放出に備えた水産物安全管理強化案」を発表した。この場で同道のキム・ジェホン海洋水産局長は「10日、パク・ワンス慶尚南道知事の主宰で慶尚南道内の水協組合長との懇談会を開いたが、水協組合長らは『事実に基づかない放射能への恐怖により、水産業が被害に遭わないよう努力すること』と『日本産の輸入水産物に対する徹底した検査体系の構築』を求めた。これは福島原発汚染水の海洋放出に対する慶尚南道の立場でもある」と述べた。キム局長はまた、福島原発汚染水の海洋放出を阻止するため、何度も建議文を出した慶尚南道が、海洋放出をやむを得ないものとして受け入れるような態度を示していることについて、「地方自治体としては限界があった。しかし、安全性が確保されない海洋放出に反対するという立場には変わりがない」と付け加えた。

 慶尚南道は2020年10月、釜山(プサン)、蔚山(ウルサン)、全羅南道、済州道など沿岸の市道と共に福島原発汚染水の海洋放出を阻止するための実務協議会を構成し、同年12月22日、海洋放出に関する議論の即刻中止を求める共同建議文を作成し、市道知事協議会を通じて政府に提出した。また、2021年4月15日、海洋放出決定の取り消しを求める市道知事協議会の共同声明にも参加した。

 一方、慶尚南道は水産物の安全管理のため、水産物安全管理センターの生産段階の水産物放射能検査件数を、昨年の300件から今年は1千件に増やすことにした。検査結果は毎週2回、慶尚南道ホームページを通じて公開する。また、南海郡弥助面(ミジョミョン)東南方、統営市蓮花島(ヨンファド)東北方、巨済市一運面(イルンミョン)東南方、昌原市馬山(マサン)港中央部、統営市(トンヨンシ)近海駅の5カ所だった海洋放射性物質測定地点を、昌原市鎮海(チンヘ)湾海域、巨済市猪仇里(チョグリマン)湾、南海郡(ナムヘグン)近海駅の3カ所を追加して8カ所に増やした。

 キム局長は「2011年の福島原発爆発事故で放射能汚染水が海に大量に流出した後、2015年から引き続き韓国海域の放射能汚染の有無を調査しているが、現在まで何の変動もない。今年7月、日本政府が福島原発汚染水の海洋放出以降、もし国内の水産物消費が萎縮すれば、水産基金1750億ウォン(約177憶円)を使って水産物を買い入れ、水産物割引イベントを開く方針」だと述べた。

チェ・サンウォン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/area/yeongnam/1091360.html韓国語原文入力:2023-05-11 18:52
訳H.J

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