釜山市議会に続き、釜山市の南区(ナムグ)議会が福島第一原発の汚染水放出を糾弾する決議をあげ、韓国政府に積極的な対応を要求した。
釜山市南区議会は「9日に開かれた臨時本会議で『福島第一原発汚染水放出決定糾弾および撤回要求決議』を、参加した議員全員の賛成により上げた」と明らかにした。
南区の議員たちは決議で、「釜山は大韓民国の領土の中でも日本に最も近い地域であり、韓国の1人当たりの海産物の年間消費量は世界1位だ。福島第一原発の汚染水が放出されれば、韓国全域で生産される水産物が被害を受けることになり、釜山経済にも否定的な影響を及ぼすだろう」、「韓国政府は海洋の放射性物質調査を拡大するとともに、水産物の放射性物質検査を強化すべきだ」と述べた。
そして「韓国政府はこのような危機意識を考慮して放射性物質汚染水の客観的な検証手続きを日本政府に強く要求するとともに、周辺国と国際機関にも徹底した点検と監視を要求して国民の不安を解消すべきだ」と付け加えた。
2日には釜山市議会が臨時本会議で「国際原子力機関(IAEA)の国際基準を順守しない日本の一方的な福島第一原発放射性物質汚染水の海洋放出反対決議」をあげている。釜山市の決議は「福島第一原発の放射性物質汚染水140万トンの危険性は、国内外の専門家を通じてすでに知られているにもかかわらず、日本政府は多核種除去設備(ALPS)と濃度希釈で安全性を確保できるという信ぴょう性の低い主張をしている」とし、「韓国政府は国内の専門家たちの客観的な分析とIAEAの調査結果にもとづいて日本政府に積極的に対応し、日本政府の汚染水放出強行の代案を示すべきだ」と述べている。
また「韓国政府は放射性物質検査のために海洋モニタリングシステムの構築を強化するとともに、モニタリングの結果を透明にリアルタイムで共有できるシステムを構築せよ。韓国政府は水産物に対する放射性物質安全検査をさらに強化するとともに、放射性物質の検出時に直ちに対応できるようマニュアルを作成せよ」と付け加えている。
2011年3月に宮城県東南沖でマグニチュード9の大地震が発生し、巨大な津波が福島第一原発を襲った。その際、福島第一原発の3基の原子炉が爆発し、多量の放射性物質が漏れ出した。日本政府は保管中の放射性物質の含まれる140万トンの汚染水を、海底トンネル工事が完工すれば太平洋に放出すると発表している。放出開始時期は6~7月と予想される。