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「強制動員」三菱重工の特許権差し押さえ決定…原告「政府の弁済案は歪曲」

登録:2023-04-06 03:02 修正:2023-04-06 07:49
大田地方裁判所=資料写真//ハンギョレ新聞社

 三菱重工の韓国内の4件の特許権に対する差し押さえが決定された。

 日帝強制動員市民の会は、強制動員の被害者と遺族ら4人が先月24日に大田(テジョン)地方裁判所に申し立てた三菱重工の韓国内の特許権差押え命令について、裁判所が差し押さえを決めたと5日明らかにした。差押え対象は原告1人当たり三菱重工の韓国内特許権各1件の計4件。4人の債権額は一審判決で言い渡された賠償額と遅延利子などを合わせて約6億8700万ウォン(約6840万円)。

 債権者は、三菱重工に強制動員された際に賃金が未払いになっているとして慰謝料の支払いを求めて提訴し、一審と二審で勝訴したヤン・ヨンスさん、キム・ジェリムさんと故オ・ギレさんの遺族、故チェ・ジョンレさんの遺族の計4人。二審判決後、三菱重工は判決を不服として2018年12月と2019年1月に最高裁に上告しているが、まだ最高裁では判決が出ていない。

 日帝強制動員市民の会は「一審で勝訴すると共に賠償額を強制執行できる仮執行の権利まで確保したが、様々な状況を考慮してこれまで仮執行を先送りしてきた」とし「最高裁に事件が受理されてから4年が過ぎたにもかかわらず判決はまだ下されておらず、最近は韓国政府が第三者弁済案を発表するなど、原告たちの訴訟の趣旨を歪曲したため、強制執行を開始することになった」と話した。

 裁判所の差押え決定により、債務者である三菱重工は対象となる特許権の売買、譲渡、その他一切の処分ができなくなった。今回の大田地裁の決定により、現在三菱重工が所有している韓国内資産(特許権、商標権)の中で強制執行の手続きが進められているものは商標権2件、特許権10件の計12件となった。

チェ・イェリン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/area/chungcheong/1086647.html韓国語原文入力:2023-04-05 16:16
訳D.K

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