パク・チン外交部長官と日本の林芳正外相が18日(現地時間)、ドイツで会談し、強制動員賠償問題について話し合ったが、隔たりを埋めることはできなかった。両国が戦犯企業の賠償参加と謝罪という最後の懸案をめぐり神経戦を繰り広げていく様子だ。
パク長官は同日、ミュンヘン安保会議が開かれたバイエリッシャーホフ・ホテルでの韓日外相会談後、「日本側の謝罪と加害戦犯企業の賠償参加問題を取り上げたか」という取材陣の質問に対し、「我々にできる(あらゆる)話をした」、「非常に率直な対話をした」と答えた。さらに「誠意ある呼応のためには、日本側の政治的決断が必要だ」とし、「互いの立場については理解しており、政治的決断を下すことだけが残っている」と述べた。「日本側の誠意ある呼応」とは、日本戦犯企業(日本製鉄と三菱重工業)の賠償参加と謝罪を指すものとみられる。
韓国は最高裁(大法院)が確定判決した日本戦犯企業の賠償金を日帝強制動員被害者支援財団が肩代わりする案を出した後、賠償基金への戦犯企業の参加と謝罪を日本側に求めている。ところが、日本は依然として否定的な態度を示している。同日の会談後も林外相は取材陣の質問に答えず会談場を後にした。日本外務省もこの日資料を発表し、この問題については「昨年11月の日韓首脳会談において両首脳が懸案の早期解決を図ることで改めて一致したことを受け、旧朝鮮半島出身労働者問題を含め日韓関係全般について率直な意見交換を行った」と言及するにとどまった。
両国は先月30日にソウルで開かれた韓日局長級協議から、13日(現地時間)に米ワシントンDCで開かれた外務次官会談、そして同日の外相会談まで、高官級協議のレベルを上げて膝を突き合わせているが、依然として意見の相違は残っている。日本が「戦犯企業の賠償参加と謝罪」という要求を受け入れるか、韓国がこれを撤回しない限り、合意は不可能な状況だ。
双方が接点を見出せずにいるが、交渉が期限なしに続くことはないものとみられる。強制動員賠償判決執行を先送りしている三菱重工業を相手に被害者が起こした商標権と特許権の特別現金化命令(強制売却)の再抗告事件に対し、外交部が最高裁に判断の保留を要請する意見書を出したが、裁判所はいつでも審理を再開できる状況だ。来月初めに予定された主要20カ国・地域(G20)外相会議や、三一節記念(独立運動記念日)の大統領演説などが、交渉の局面転換の契機になりうるという見通しも示されている。