北朝鮮は30日、北大西洋条約機構(NATO)のイェンス・ストルテンベルグ事務総長の韓日歴訪について、「アジア太平洋地域に『新冷戦』の火の雲を呼び込む行動であり、戦争の前奏曲」だと非難した。
北朝鮮官営の「朝鮮中央通信」は同日早朝、「NATO事務総長の行動は『アジア版NATO』の創設を煽るためか」という見出しの記事を載せ、このように主張した。同記事は北朝鮮の3大メディアの一つである「朝鮮中央通信」に載せられたという点で注目に値するが、「国際政治研究学会研究士キム・ドンミョン」の名義で掲載された。高官の実名談話や外務省報道官談話などに比べ、公式性がはるかに低いといえる。
キム研究士は、NATO事務総長の歴訪が「(ウクライナに)戦車を提供することにした米国と西側の決定で、ウクライナ事態が新たなヤマ場を迎えている時」に行われたとし、「『アジア版NATO』を作り上げるのが米国主導のNATOが狙う最終目的」だと述べた。
さらに「南朝鮮がNATO加盟国のポーランドと重戦車、自走砲、戦闘機をはじめ数百億米ドルに達する巨額の兵器販売契約を結び、日本が英国、イタリアと次世代戦闘機の共同開発に合意した背景には、南朝鮮と日本を自国の影響力拡大のための将棋の駒として使おうとするNATOの思惑がある」と主張した。また「地域に招かざる客を引き入れて、自分の利益を図ろうとする南朝鮮と日本は、安全保障上の不安を解消するどころか、むしろ深刻な安全保障危機にさらに近づいていることを認識しなければならない」と警告した。
ストルテンベルグ事務総長は今月29~30日に韓国を訪問し、イ・ジョンソプ国防部長官、パク・チン外交部長官らと面会した。