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車椅子の障害者たちの乗車を阻止…ソウルの地下鉄駅に警官数百人投入

登録:2023-01-03 08:35 修正:2023-01-11 10:52
全障連、裁判所の調停案にしたがい「5分以内」の乗車を試みる 
ソウル市長・ソウル交通公社・警察は「全面封鎖」
全国障害者差別撤廃連帯(全障連)の会員たちが2日夕方、ソウル地下鉄4号線三角地駅のプラットホームで乗車を試みると、警官がこれを阻止し、混雑が増加するなど危険な状況が長時間続いた=ソ・ヘミ記者//ハンギョレ新聞社

 ソウル交通公社(公社)と警察は、発生もしていない電車遅延を理由に警官数百人を投入し、全国障害者差別撤廃連帯(全障連)の地下鉄への乗車自体を全面的に封じ込め、無停車通過まで行った。全障連は、裁判所の調停案にしたがい「5分以内」に乗車を終えるとしたが、公社側は「1分でも遅れると大変なこと」だとするオ・セフン・ソウル市長の強硬対応の基本方針にしたがい、一日中これらの人々の乗車を遮り、むしろ市民の通勤時にいっそうの不便を強いた。それどころか、公社側の安全管理の問題にともなう地下鉄の故障で電車が止まり、新年の出勤初日から遅刻が続出した。

 全障連は2日朝、ソウル地下鉄4号線の三角地(サムガクチ)駅で記者会見を行い、「私たちが増額を要求した障害者権利予算のうち、0.8%だけが国会を通過した」と明らかにした後、午前9時10分から電車への乗車を試みた。これに先立ち裁判所は「5分以内に乗車がなされなければ、電車遅延1回あたり500万ウォン(約51万円)を公社に支払うこと」とする調停案を出し、全障連はこれを受け入れると明らかにした。

 しかし、公社と警察は、約70人の車椅子の障害者の乗車自体を阻止するために、地下鉄4号線と6号線の地下乗り換え区間の狭いプラットホームに鉄製のフェンスを設け、盾を持った警官約600人(午前は約480人)を投入した。三角地駅の駅長は鉄道安全法を根拠に掲げ、「退去拒絶時には電車への乗車を拒否しうる」という放送を1~2分間隔で流した。

 出勤時間帯に始まった対立は、この日の夕方の退勤時間帯を越え、午後10時頃に全障連が解散したことで終わった。狭い地下空間に警官数百人と公社職員、全障連活動家、取材陣などが長時間もみあい、危険な状況が続いたが、警察は全障連側が退くまで対峙を解除しなかった。警官と公社職員は、市民の通行路を確保するとして、全障連の活動家のイ・ヒョンスクさんの車椅子を強制的に引き出し、その過程で、ある活動家が呼吸困難を訴えて倒れた。電車乗車を試みた全障連のパク・キョンソク共同常任代表も、警官との衝突で車椅子から落ちたりもした。対立が続くと、国家人権委員会は現場に調査官を急派した。警察は全障連の活動家が警官を暴行したとして、捜査する方針を明らかにした。

 パク・キョンソク代表は「オ・セフン市長の発言以降、公社と警察は『5分以内』の宣伝戦まで妨げている。平和な宣伝戦ができるよう、空間と時間を開けてほしい」と訴えた。前日、オ市長はMBNの番組に出演し、裁判所の調停案を拒否する意向を明らかにし、「1分でも遅れると大変なことになる地下鉄を、5分も遅延させることはできない」と述べた。

 2日に裁判所の調停案を拒否した公社はこの日、三角地駅を通過する電車を13回も無停車させ、むしろ市民に不便を強いた。イ・ジュオン弁護士(社団法人トゥル)は「裁判所も全障連の要請と市民の不便を考慮し、5分を超えないようにする調停案を作った。公権力を投じて乗車を全面的に阻止するのであれば、憲法訴訟などの検討もありうる」と述べた。

 このような状況のなか、この日の電車遅延は公社側の責任によって発生した。出勤時間帯の7時34分、地下鉄2号線で線路の支障が発生し、電車が10分ほど遅れた。その後、影響は1時間を超えて続いた。公社は全障連のデモはSNSで通知しながらも、地下鉄の故障については何の公示もしなかった。

全国障害者差別撤廃連帯(全障連)の会員たちが2日午前、ソウル地下鉄4号線三角地駅のプラットホームで5分が表示された時計を持ち、地下鉄への乗車を試みている。ソウル中央地裁は先月19日、ソウル交通公社が全障連と同団体のパク・キョンソク代表などを相手取った損害賠償訴訟を強制調整し、全障連が地下鉄乗降車デモで5分以上地下鉄の運行を遅延させた場合、1回あたり500万ウォンを公社に支払うようにした/聯合ニュース

コ・ビョンチャン記者、ソ・ヘミ記者、パク・チヨン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/1074144.html韓国語原文入力:2023-01-02 22:26
訳M.S

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