最近、韓国の人々の話題といえば、この二つだ。一つは株価、もう一つはサムスン電子の成果給だ。どちらも、グローバル・ビッグテック各社の人工知能(AI)投資競争の流れに乗ったサムスン電子とSKハイニックスの半導体収益の結果だ。現在の半導体好況が、過去のように2~3年以内に終わるのか、それとも一部で指摘されるように「サイクル産業」という宿命から抜け出して、「終わりのない好況」という新たな局面に入るのかは、現時点では判断が難しい。明らかなのは、たとえ短期間のブームに終ったとしても、その間に稼げるお金が莫大だという点だ。市場が予想する両社の今年の営業利益見通しは500兆ウォン(約52兆4000億円)、来年の見通しは700兆ウォン規模。30年以上にわたり資本市場を見守ってきたある資産運用会社の幹部は、「韓国経済がこれほど多くの金を稼いだことはない」とし、「この資金が本格的に市場に流れた場合、果たして韓国経済や社会にどのような影響を与えるかは予測しがたい」と語った。1年で2000台から7000台へと跳ね上がったKOSPI(韓国総合株価指数)指数、年間6億ウォンの成果給を主張する労働組合など、生まれて初めて目にする光景を前にして、みんな右往左往している。
韓国政府もまた、前例のない課題を抱え込んでいる。それは、法人税を中心に急増する税収をどこに使うかという問題だ。「AI関連企業の超過利潤を社会がどれだけ還収すべきか」という根本的な問いは、少し後回しにしよう。とりあえず、今は現行の法人税率(最高25%)に基づき、政府に入ってくる法人税収入の話をしてみよう。政府が昨年8月、今年の予算案を策定した際は、今のような半導体好況を予想できなかったため、今年の超過税収(政府の推計よりも多く入ってくる税収)は少なくとも40兆〜50兆ウォンに達する見通しだ。このうち25兆ウォンは、3月の「戦争(の状況にともなう)補正予算」編成ですでに使われた。残りは、下半期に第2次補正予算を編成することも、国債(国の借金)の削減に充てることもできる。それでも余った資金は、決算後に「国の剰余金」となり、国家財政法に基づき国債の償還などに使用される。
政府の悩みは、来年度の予算案編成で本格化するだろう。サムスン電子、SKハイニックスの法人税だけでも、例年より少なくとも100兆ウォン以上増加する可能性が高い。来年初めに両社の成果給が支給されれば所得税収入が増え、株式市場の好調が続けば証券取引税収入も増えるだろう。政府は昨年発表した「2025〜2029年中期財政見通し」で、2027年の国税収入を412兆ウォンと予想していたが、これより100兆〜150兆ウォン以上上回る可能性がある。これは「超過税収」ではない。来年度の予算案を策定する際、税収増加規模を正確に推計すればよいからだ。便宜上、これを「急増した税収」と呼ぶことにしよう。両社の好況が2028年頃まで続くと仮定すれば、このような急増した税収は(2028年下半期の利益に対する法人税を納付する)2029年まで続く可能性がある。「税収スーパーサイクル」と呼ぶにふさわしい。
政府は8月末に次年度予算案を発表しなければならない。「増えた税収をどこに使うか」という問いは、もはや先送りできない差し迫った課題だ。いわゆる「国民配当金」論争を引き起こしたキム・ヨンボム大統領府政策室長のフェイスブックへの投稿は、結局のところこの問いに集約される。
政府にとっては二つの大きな選択肢がある。財政支出を増やす方向と、国家債務を減らす方向だ。中期財政見通しにおいて、政府は来年の財政支出規模を764兆ウォンと計画した。財政収入がこれに及ばないため、国債を117兆ウォン分新規発行するとした。政府は増えた税収で財政支出規模を拡大することも、国債発行を減らすこともできる。両方に分けて使うことも考えられるだろう。
もし財政支出を増やすなら、どのような事業に、どのような集団のために使うべきだろうか。キム・ヨンボム室長は、若者の起業資産、農漁村の基本所得、芸術家支援、老齢年金の強化、AI時代への転換教育口座など、5つの例を挙げた。ChatGPTを開発したOpenAIは「公共富裕基金(Public Wealth Fund)」、米バージニア大学のアントン・コリネック教授とリー・ロックウッド教授は「国富ファンド(ソブリン・ウエルス・ファンド:SWF)」を設立し、AI関連企業に投資した後、その収益を国民に還元しようと提案した。ソウル大学工科大学のイ・ジョンドン教授による「若者の初職保障制度」(すべての若者に卒業後1~2年以内に実務経験を積める仕事を提供する制度)や、国民経済諮問会議のキム・ソンシク副議長による「生涯口座制度」(1~2年間、中位所得の一定水準を保障し、職業訓練を受けられるよう支援する制度)のようなアイデアに活用する案はどうだろうか。
侃々諤々(かんかんがくがく)の社会的議論が必要だ。その過程で直視すべき現実は、「半導体超好況のお祭り」が繰り広げられる裏で、二極化と若年層の失業が深刻化していることだ。政府が手にした「半導体ジャックポット(大当たり)」がこれらの解消に貢献できなければ、お祭りの後、高い請求書が突きつけられる可能性があるという点を忘れてはならない。