療養病院を違法に開設し、療養給付金を不正受給した疑いで起訴され、一審で有罪、二審で無罪が言い渡された尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の義母チェ・ウンスン氏(76)の上告審の判決が今月15日に言い渡される。
最高裁2部(主審:イ・ドンウォン判事)は、特定経済犯罪加重処罰などに関する法律違反(詐欺)と医療法違反の疑いで公判中のチェ氏の事件について、15日午前10時15分に判決を言い渡す予定だ。
チェ氏は同業者らと共に、2013年2月に京畿道坡州市(パジュシ)に療養病院を開設してこれを運営。2013年5月から2015年5月までに国民健康保険公団から療養給付金約23億ウォン(約2億3900万円)を受け取った疑いで2020年11月に起訴された。現行の医療法では、医師か漢方医でなければ療養病院は設立できず、合法的に設立された医療機関でなければ療養給付を受けることはできない。
チェ氏に対して一審は懲役3年を、二審は無罪を宣告した。一審は「医師ではないチェ氏が医師ではない同業者と共謀し、形式上は非営利医療法人を設立するかのように装って営利を目的とする医療機関を開設し、健保公団から療養給付金をだまし取った。健康保険の財政悪化を招き、誠実な健康保険加入者の経済的負担を重くする結果を招くという点で、その罪責は軽くない」として実刑を宣告したうえで法廷拘束したが、1月に二審は「チェ氏が実質的に病院開設・運営で共謀したとは考えがたい」として無罪を宣告した。
無罪判決を受け、ソウル中央地検は「控訴審の判決は既存の最高裁判決とも相反し、重要な事実関係も看過している」とし、判決を不服として上告した。控訴審の裁判長とチェ氏の弁護人の1人が大学の同窓、司法研修院の同期、同じ裁判所で5年間共に勤務していた関係であることが後に確認され、物議を醸している。