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[梨泰院惨事]泣き崩れたイラン大使…学生たち「こんな国でごめんなさい」

登録:2022-11-03 03:37 修正:2022-11-03 08:11
中央大学梨泰院惨事合同焼香所で 
5人のイラン人犠牲者を追悼
サイード・バダムチ・シャベスタリ駐韓イラン大使が2日午前、ソウル銅雀区の中央大学に設けられた梨泰院惨事犠牲者焼香所で献花し、焼香している=キム・ギョンホ先任記者//ハンギョレ新聞社

 「うちの息子、娘たちも海外で学んでいます」

 サイード・バダムチ・シャベスタリ駐韓イラン大使が2日、ソウル銅雀区(トンジャック)の中央大学の裏門に設置された「梨泰院(イテウォン)事故犠牲者合同焼香所」の前で泣き崩れた。シャベスタリ大使は、「このような惨事が起きたことが信じられない。胸が詰まり、悲しい」と語った。

 シャベスタリ大使はこの日午前11時ごろ、中央大学の大学院に通っていたイラン人犠牲者ソミエさん(Somayeh、32)、アリさん(Ali、36)の焼香所で献花し、黙とうをささげた。焼香所の隣の掲示板には、他の3人のイラン人犠牲者の写真も掲げられていた。29日夜にソウル梨泰院で発生した惨事では、5人のイラン人が犠牲となった。外国人犠牲者の中で最多だ。

 シャベスタリ大使は中央大学の関係者に「焼香所を作ってくださってありがとう。私にも喪失感があるが、みなさんにも大きな喪失感があるはず。共に悲しみを感じる」と語った。同氏は焼香所にいたイランの学生たちに近づき、「サラム(Salam)」と挨拶をした後、共に涙を流した。まだ入国できていない遺族については、「遺族は電話を取ると泣く。(状況を)どう伝えればよいのか分からない」と述べた。

2日午前、ソウル銅雀区の中央大学に設けられた梨泰院惨事犠牲者焼香所で、ある学生が故人を追悼している=キム・ギョンホ先任記者//ハンギョレ新聞社

 中央大学に設けられた合同焼香所は、前日に続きこの日も追悼する人が絶えなかった。焼香所の隣に設けられた掲示板は、5人のイラン人犠牲者の写真と追悼文で埋まった。付箋には「韓国が好きだから来たはずなのに、こんな国でごめんなさい」、「安らかに。遠く離れた異国の冷たい地面でやるせなさを禁じえません」などの言葉が様々な言語で記されていた。

 中国人留学生のメン・レさん(30)は、「アリがあの中にいたとは思わなかった。留学がどんなに大変か知っているから…」と涙ぐんだ。イラン人犠牲者のうちの4人は、コミュニティに属するイラン人の仲間同士10人で梨泰院に遊びに行き、惨事にあった。犠牲者の友人たちは、事件を収拾する過程でもう1人のイラン人犠牲者も知ったという。メンさんは「この状況を早く収拾してほしい。アリのご両親は本当に心を痛めていると思う。犠牲者や犠牲者の両親にも配慮してくれれば」と語った。

 中央大学で講師を務めるHさん(56)は、「単に通り過ぎるわけにはいかず献花した」とし、「これは事故だと言ってはいけない。惨事だ。安全装置のない社会に生きている青年たちに申し訳ない。我々はみな謝罪しなければならない」と述べた。中央大学の学生Sさん(20)は、「他人事とは思えない。あの状況なら誰でも同じ目にあっていたはずだ」と語った。

キム・ガユン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/1065427.html韓国語原文入力:2022-11-02 15:46
訳D.K

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