本文に移動

[梨泰院惨事]遺影抱く母、息子に代わり先生に「最後のあいさつ」

登録:2022-11-03 03:35 修正:2022-11-03 08:41
17歳の犠牲者、最後の登校 
見送りに来た友人と先生は涙 
遺族、弔花にかかる尹大統領の名を破く 
「犠牲者ではなく死亡者だなんて…胸が苦しくて死にそうだ」
1日午後、梨泰院惨事の犠牲者の合同焼香所が設けられたソウル龍山区の緑莎坪駅広場で。ある市民の書いたカードが菊の花にうずもれている=ユン・ウンシク先任記者//ハンギョレ新聞社

 「こんなことになるなんて…」

 2日午前8時、ソウルのある高校の正門から「梨泰院(イテウォン)惨事」犠牲者のK君(17)の遺体を乗せた運柩車が入ってくると、K君の母親は泣き叫んだ。運柩車に載せられた棺をなでていた母親は、家族の助けを借りてやっとのことで車に乗ることができた。K君の母方の大叔父チョン・インソンさん(62)は「事故の知らせを聞いて倒れたK君の父親は、ショックが大きすぎて出棺にも参加できなかった」と語った。

 出棺を終えたK君の最後の登校だった。同校の2年生だったK君は29日、ハロウィーンを前に友人のL君(17)と梨泰院に遊びに行き犠牲になった。

 数日前まで息子が通っていた学校。K君の母親は車から降りるやいなや泣き崩れた。K君の最後の登校を見送るために出てきた50人あまりの生徒や教師たちは、そんな母親の姿を見て下を向いたまますすり泣いた。

 母親は息子の遺影を抱いて10分あまり学校を眺めた後、教師たちの前で今はあいさつができない息子に代わって深々とお辞儀した。運動場は向こうの山にぶつかって響く泣き声でいっぱいになった。

 先月29日、ハロウィーンを前に梨泰院に2人で遊びに行って犠牲になったソウルのある高校の2年生のK君とL君。2人の出棺が2日未明に相次いで行われた。遺族たちは出棺を終えて、彼らが通っていた高校の運動場を順に訪れ、路祭(出棺にあたって玄関前で行う祭祀)を執り行った。

 L君の遺族は同日午前4時30分から、ソウル東大門区(トンデムング)の三育ソウル病院斎場で出棺式を行った。落ち着いた雰囲気の中で礼拝形式で静かに執り行われた出棺式には、30人あまりの家族や知人が集まった。出棺式中、杖をついた白髪の老人は、葬儀の行われた部屋の前の画面に映し出されたL君の写真を撫でた。

今月1日午後、K君(17)の葬儀が行われている城南中央病院に届けられた尹錫悦大統領の弔花。遺族たちは弔花を受け取るやいなや、尹錫悦大統領の名が記された紙を破ってしまったという=コ・ビョンチャン記者//ハンギョレ新聞社

 幼い高校生たちの事故に尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は弔花を送ったが、遺族たちは快く思わなかった。K君の遺族は、尹大統領が送った弔花に付いていた名前の記された紙を破ってゴミ箱に捨てたという。チョンさんは「そもそも弔花は拒否しようと思ったのだが、配達員のことを考えて受け取った。弔花には大統領の名前があるだけで、故人の冥福を祈るという表示は一つもなかったため、全く慰めにならなかった。防げた事故で元気な子を死なせてしまった。焼香所では犠牲者ではなく死亡者と表示するのが正しいのか。胸が苦しくて死にそうだ」と語った。

コ・ビョンチャン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/1065382.html韓国語原文入力:2022-11-02 12:04
訳D.K

関連記事