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[梨泰院惨事]警察に「圧死しそう」…すでに午後6時34分の最初の通報で訴え

登録:2022-11-02 03:26 修正:2022-11-02 07:50

「圧死しそうです。ぞっとします。誰も規制していません」(10月29日午後6時34分)
「人を押しのけたりして大変なことになっていて転んだりケガしたりしているんです」(8時9分)
「人が今、道端で倒れていて、これは事故になりそうだ、危ない」(8時33分)「人が圧死しそうです、ほとんど。修羅場です」(8時53分)

ユン・ヒグン警察庁長が1日午前、ソウル西大門区の警察庁で梨泰院惨事についての立場を発表している=キム・ヘユン記者//ハンギョレ新聞社

 29日の梨泰院(イテウォン)惨事が発生する3時間ほど前から「圧死しそうだ」などとする危険の兆候を示す通報が11件あったものの、警察が現場に出動したのは4件だけだったことが明らかになった。市民の通報にまともに対応していなかったことが明らかになったことを受け、ユン・ヒグン警察庁長は謝罪するとともに、特別捜査本部を設置して監察と捜査に着手した。

 警察庁は1日、事故発生当日、梨泰院交番に計122件の通報があったことを明らかにした。また事故発生の3時間あまり前から危険の兆候を示す通報が11件あったとし、電話での通報の録音記録を公開した。

 最初の通報は午後6時34分。この時からすでに「圧死」という単語が登場している。通報者は「とても不安だ。人が下りてこられずにいるのに下からずっと押し寄せてくるから圧死しそうだ。規制してほしい」と要請した。これに対し警察官は「警察官が出動して確認してみる」と答えた。警察庁の関係者は「警察が最初の通報現場に出動し『強力解散措置』を取った。実際に出たのかなどは監察でさらなる確認が必要だ」と述べた。

危険兆候示す通報11件、現場出動は4件のみ

 最初の通報があった後も、事故発生4分前までに危険な兆候を示す通報がさらに10件あった。しかし、このうち7件は現場の確認もせずに電話相談などで事件を終結させていた。警察庁の関係者は「通報者に、近くに警察がいることを教えたり状況を説明したりして、事件を終結させた」と語った。

 警察が最後に出動したのは事件発生1時間前の午後9時2分の通報に対するもので、その後の5件の通報には出動すらしていなかった。警察庁国家捜査本部は、通報者の中に犠牲者がいるかどうか対照作業を行っている。

 ユン・ヒグン警察庁長は警察の不十分な対応を認め、事件発生から3日にしてようやく謝罪した。ユン庁長はこの日、「梨泰院事故に関する警察庁長ブリーフィング」を行い「事故が発生する直前に、現場の深刻さを伝える112番通報が多数あったことを確認した。にもかかわらず、通報を処理する現場の対応は不十分だったと判断した」として頭を下げた。

 警察庁国家捜査本部は関連疑惑を究明するために特別捜査本部を設置し、強力な捜査を進めると表明した。ユン庁長が「本日より警察庁に独立的な特別機関を設置し、透明かつ厳正に事案の真相を明らかにする」と語ったことに伴う措置だ。

 国捜本はこの日、ソウル警察庁捜査本部を捜査の独立性が保障された特別捜査本部に転換し、ソン・ジェハン警務官(現慶南庁昌原中部署長)を本部長に任命し、501人を投入した。特別捜査本部長は上級者の指揮と監督を受けず、独立的な捜査によって梨泰院事故の原因と責任の所在について捜査を進める計画だ。

 警察庁はこの日、梨泰院地域を管轄する龍山(ヨンサン)警察署に対する監察に着手した。特別捜査本部とは別に、警察庁のキム・ホスン監査担当官をチーム長として15人の監察人員を投入し、ハロウィーンの事前準備から現場対応までに適切な措置を取っていたのかを問う方針だ。

 ユン庁長はこの日のブリーフィング後の質疑応答で「警察自身に徹底した究明が可能かは疑問」との指摘を受け、「捜査対象範囲などに関しては、改正された刑事訴訟法によれば、このような事案は警察の捜査権限の範囲」と答えた。一部から出ている指揮部に対する辞任要求については「現状では懸案の解決と事故収拾、今後の対策が急務だ。後に結果が出た際に、その部分についてはどの時点になるにせよ、それ相応の行動を取る」と語った。

チャン・ナレ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/1065269.html韓国語原文入力:2022-11-01 17:18
訳D.K

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