夜間に襲った豪雨により、9日朝もソウルの各所で出勤が大混乱に陥った。主要道路は随所で浸水し、地下鉄も一部運休。出勤を急ぐ市民も朝から不便を強いられた。昨夜と未明には、帰宅できずに職場近くの宿泊施設で夜を過ごした市民もいた。
職場に通う市民たちは9日の早朝に家を出た。ほとんどの公共機関は出勤時間を午前11時としたが、民間企業に対しては「勧告事項」にとどまった。在宅勤務が公示されなかった勤め人たちは、普段より早い時間に出勤せざるを得なかった。ソウルの蘆原(ノウォン)から九老(クロ)の職場に出勤するKさん(28)は「会社から夜遅く公示が来て、車が渋滞するから早く出てこいと言われた」とし「出勤の心配でよく眠れなかった。防水かばんなどに荷物を入れて、普段より1時間早く出てきた」と話した。
ソウル地下鉄9号線はノドゥル~砂平(サピョン)間の7駅の区間が運休となったり、急行列車が運休となって運行が普通列車だけになったりしたことで、多くの市民が引き返さなければならなかった。陽川郷校(ヤンチョンヒャンギョ)駅から新論ヒョン(シンノンヒョン)駅に出勤しているPさん(31)は「こういう時は出勤すべきではないのではないか」とし、「途中で降りてバスに乗って行ったため、1時間以上遅刻した」と話した。
その他にも午前10時現在、漢江の水位が上昇したため、盤浦大路~潜水橋間の双方向、オリンピック大路の汝矣)下流~汝矣上流間の双方向、銅雀大橋JC→汝矣上流IC間の単方向、塩倉IC~銅雀大橋間の双方向、聖水JC連結路の永東大橋→東部幹線の単方向、東部幹線道路の聖水分岐点~君子橋間の双方向、内部循環路の城東~馬場間の双方向、馬場ランプ→聖水JCの単方向などが規制中だ。
SNS上には「広域バスに乗ったが東部幹線道路が規制されていたため、地下鉄に乗り換えるなど苦労して出勤した」、「浸水して利用不可能な地下鉄路線や規制されている道路の位置などが知りたかったのに、中央災害安全対策本部が送ってきたのは出勤調整してほしいという通知だけ」、「遅刻したが上司も出勤できておらず、会社には私だけ」などの文章が上がっている。
昨夜は帰宅をあきらめた市民もいた。一部の会社員たちはオフィスから退勤できずそのまま夜を過ごすか、宿に留まることを選んだ。会社員のYさん(28)は「退勤後の約束場所が江南(カンナム)駅だったのだが、バスの中で1時間孤立したあげく、結局は友人と一緒に宿泊施設を探した」とし「夜10時ごろ、宿泊施設のプラットフォームにホテルやモーテルなどがすべて満室になったと表示されたため、Airbnbでやっとのことで残っている部屋を見つけた」と語った。
水原(スウォン)に住む会社員のCさん(30)も、「夜10時に仕事が終わって家路についたのだが、地下鉄の駅が浸水していて利用困難だったのでかなり歩き、地下鉄の運行が再開されてからも遅延がひどかったので、結局はモーテルに泊まった。一番高いデラックスルームだけが残っていた」と話した。