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強制動員問題の官民協議会、3回目の会議…被害者の不参加で難航は不可避

登録:2022-08-09 02:11 修正:2022-08-09 07:39
先月発足した官民協議会、9日午後に第3回会議 
強制動員被害者への賠償問題の解決策の具体化を図る見込み 
被害者中心主義ではなく外交懸案としてのアプローチに限界 
一部専門家も不参加を検討…協議会継続が岐路に
パク・チン外交部長官(右)と日本の林芳正外相が4日午後(現地時間)、ASEAN(東南アジア諸国連合)+3外相会議が行われているカンボジアの首都プノンペンで会談している=外交部提供//ハンギョレ新聞社

 強制動員被害者への賠償問題の解決策づくりを目指す官民協議会の3回目の会議が、9日に行われる。1、2回目の会議とは異なり、被害者支援団体と代理人団が不参加を宣言したため、今後も官民協議会が継続できるかどうかが争点になるとみられる。

 8日の外交筋の説明を総合すると、外交部は9日午後3時ごろから政府ソウル庁舎別館でチョ・ヒョンドン第1次官の主宰で第3回官民協議会を開催する。先の2回の会議に出席した被害者側は、先月末に外交部が賠償判決履行のための強制売却命令(現金化)を遅らせることを求める意見書を最高裁に一方的に提出したのは「信頼の毀損」であるとし、9日の会議への不参加を通知している。

 9日の会議では、強制動員賠償問題の解決策の具体的な内容が扱われるという。先月14日に行われた第2回会議では、日本企業の支払うべき賠償金をまず政府が被害者側に支給し、その後に日本側に請求するいわゆる「代位弁済」方式について議論がなされた。

 第2回会議に参加した法律の専門家は、最高裁判決により賠償責任を負った債務者である日本側の加害戦犯企業に代わって韓国政府がどんな形であれ賠償を行うには、債権者である被害者の承諾を得なければならないと説明したという。政府が被害者側の官民協議会不参加宣言以降も「被害者側と様々なやり方で意思疎通を継続する」と強調するのもこのためだ。

 しかし、韓国政府の外交努力にもかかわらず日本側の態度がかたくななため、政府にできることは多くはなさそうだ。今月4日、ASEAN+3外相会議が行われていたカンボジアのプノンペンで約1カ月ぶりに韓日の外相による3回目の会談が行われたが、日本側は強制動員被害者への賠償問題について従来の立場から一歩も引かなかったという。

 政府が強制動員賠償問題を被害者中心ではなく韓日の「外交懸案」としかみていないことも、解決策作りの足を引っ張っている。外交部の高位当局者は5日、記者団に対して「前日の両国外相の会談で、韓国政府の外交努力に対して日本は誠意ある呼応をすべきだということを強調し、日本側も傾聴した」と述べた。この当局者は、日本側の取るべき「誠意ある呼応」とは何かという記者の問いに対し、2018年の最高裁判決に反発して日本が取った「輸出規制」措置の撤回に言及した。これまで被害者側は、強制動員賠償問題の解決策として加害戦犯企業などの日本側の謝罪と、謝罪の誠意を示す証拠として賠償に取り組むことを要求してきた。これは、日本側が輸出規制措置の解除を発表したとしても、強制動員賠償問題は解決できないということを意味する。

 このような状況のため、これまで官民協議会に参加してきた専門家たちも参加を続けるかどうか悩んでいるという。ある民間の専門家は「被害者側の不参加で会議への参加を続ける大義名分が弱くなった」とし、第3回会議を最後に今後は参加しない可能性をほのめかした。専門家の不参加が相次げば、官民協議会の存続そのものが難しくなり得るともみられる。

チョン・インファン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/diplomacy/1053968.html韓国語原文入力:2022-08-08 19:20
訳D.K

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