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韓国、速く広がる「BA.5」の優勢化を懸念…コロナ再拡散か

登録:2022-07-06 01:50 修正:2022-07-06 13:04
週間1日平均感染者数、15週間ぶり増 
オミクロン派生型BA.5「近いうちに優勢に」 
「重症度の上昇はまだ確認できていない 
距離措置や入国制限は考慮していない」
コロナ感染者が再び増加に転じた5日、ソウル陽川区新亭洞の陽川保健所に設けられた選別診療所で、検査を受けるために市民が順番を待っている=カン・チャングァン先任記者//ハンギョレ新聞社

 新型コロナウイルス感染症の感染確認数が40日ぶりに1万8000人を超えるとともに、1週間の新規感染者数も15週間ぶりに前週に比べて増加へと転じた。3月に流行を主導したものより拡散速度の速いオミクロン株の派生型「BA.5」が近いうちに優勢となると見通される中、防疫当局は予想を上回る再拡散の可能性を警告した。

 中央防疫対策本部(防対本)の発表によると、5日午前0時現在の新規コロナ感染者数は1万8147人(国内発生1万7976人、海外からの流入171人)。この数は9800人台だった1週間前の1.8倍以上で、最後に1万8000人台を記録した5月26日以降の40日間で最多。

 流行の様相を示す1週間の1日平均感染者数も、6月第5週(6月26日~7月2日)は8549人で、前週(7054人)に比べ21.2%の増。ピークだった3月第3週(3月13~19日)以来15週ぶりに対前週比で増加へと転じた。実効再生産数も1.05で、3月第4週(1.01)以来初めて1を超えた。これは、感染者が1人発生するとその人から1.05人が新たに感染するため、感染者数が増える可能性があるということを意味する。週間の新規重症患者数は19%増(42人→50人)、死者数は48.3%減(89人→46人)。

 注目すべきは、オミクロン株の下位系統である「BA.5」の拡散の勢いが増していることだ。6月19~25日には51.1%だった「BA.2.3」系統の国内検出率が先週は39.5%に低下した一方、BA.5の検出率は同じ期間に7.5%から24.1%へと上昇している。防対本のイム・スギョン状況総括団長は「近いうちに優勢となることが憂慮される」と語った。

 BA.5は、1月末から国内で流行中の「BA.2」より伝播速度が速いことが知られる。英国保健安全保障庁(UKHSA)は先月24日(現地時間)、BA.5はBA.2より35.1%速く増加していると分析した。ただしBA.5の重症化リスクが高いという証拠はまだない。これについてイム団長は「BA.5に関しては現在までのところ、重症度が上昇していることは確認されていない」とし、「社会的距離措置(ソーシャル・ディスタンシング)や入国制限などの防疫強化措置は現在のところ考慮していない」と述べた。

 防対本は、BA.5の他にも夏の活動量増加や時間経過にともなう免疫力低下などを理由として「予測を上回る水準の再拡散の可能性は高い」と判断している。ただし、死者数が減少していること、60歳以上の感染者の割合が低下していること、病床稼働率の低下などで医療対応力が安定していることを挙げ、週間危険度は全国、首都圏、非首都圏ともに「低い」と評価した。

 政府は再流行に備えた60歳未満の4回目の接種も準備している。コロナ予防接種対応推進団のクォン・グニョン接種管理チーム長は、「最近の防疫状況の変化を受け、4回目の接種に関する事項を専門家と議論中」だとし、「予防接種専門委員会で決定されれば、具体的な接種計画と日程を案内する」と述べた。

イム・ジェヒ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/health/1049731.html韓国語原文入力:2022-07-05 15:45
訳D.K

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