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尹大統領「韓米日首脳、軍事的安全保障協力の再開に原則的に合意」

登録:2022-07-02 01:51 修正:2022-07-02 07:23
「NATO首脳会議」から帰国する空軍1号機での記者懇談会 
「中国牽制に参加」の懸念には「特定の国に対する排除ではない」 
「韓日、歴史と未来の問題を一つのテーブルに置かなければならない」
尹錫悦大統領が今月1日、北大西洋条約機構(NATO)首脳会議に出席した後、帰国する空軍1号機内で記者懇談会を行っている/聯合ニュース

 尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が1日、スペインのマドリードで開かれた北大西洋条約機構(NATO)首脳会議への出席を終えて帰国する空軍1号機内で、北朝鮮の核問題への対応をめぐる韓米日3カ国の協力と関連し、「北朝鮮の核問題に対応するため、かなりの間中断されていた軍事的安全保障協力の再開が望ましいという原則論について意見が一致した」と述べた。

 尹大統領は同日0時4分頃(韓国時間)、帰国する飛行機の中で、NATO首脳会議の日程を振り返る初の機内記者懇談会を開いた。尹大統領は「韓米日3カ国の首脳が北朝鮮の核問題について共に対応を話し合ったのは約5年ぶり。よりディテールで細部的なことは、これから各国の外相や防衛相、安保関係者へと続く協議でさらに進展がみられるだろう」とし、上記のように述べた。尹大統領が言及した「韓米日の軍事的安全保障協力」は、弾道ミサイル探知・追尾訓練を意味するものとみられる。韓米日3カ国の防衛相は6月11日、シャングリラ対話でこの訓練を8月初めに実施することにした。

 尹大統領は「NATO会議場で各国首脳が、北朝鮮の核問題に対して非常に強硬な対応が必要であり、朝鮮半島の緊張に対する厳しい管理を求める立場を出すのを、実際に確認することができた」とし、国際社会で北朝鮮の核問題を深刻に捉えていると伝えた。

 懇談会ではNATO首脳会議の「中国牽制」の意図があったことと関連し、対中関係に対する質問が相次いだ。尹大統領は「韓米日3カ国協議とNATO首脳会議への出席について、特定の国を排除しようとしているわけではない」とし、「国内でも国際関係においても、我々が普遍的に追求しなければならない価値とルールを守るべきという精神に基づいて、国際問題や国内問題を扱うべきだと思う」と、曖昧に答えた。また「国際社会が持続可能なかたちで発展し維持されるために、必ず守らなければならないこのような共通の価値観、この価値を現実で実現していくルールを我々は守るべきであり、そのルールに基づく秩序は尊重されなければならない」と語った。尹大統領が今回の出張で数回明らかにした自由民主主義や人権、法治主義を包括する「価値観同盟」に従っただけという点を重ねて強調したのだ。

 尹大統領は日本の岸田文雄首相と就任後初めて対話を交わした後、韓日関係改善の機運が高まっていることと関連し、「歴史問題と両国の未来の問題は同じテーブルに置いて一緒に解決していかなければならない問題だと、私は強調してきた」とし、「歴史問題に進展がなければ懸案と未来の問題についても議論できないという考え方は避けるべきであり、すべて一緒に議論できると考えている。韓日両国が未来のために協力できるなら、歴史問題も十分に解決していけると信じている」と述べた。敏感な歴史問題よりも、懸案または未来の問題を先に解決するという意志を示したものとみられる。

尹錫悦大統領が今月1日午前、スペイン出張を終えて京畿道城南市のソウル空港に到着し、国民の力のイ・ジュンソク代表ら出迎えの人々と挨拶した後、車に向かっている=大統領室記者団//ハンギョレ新聞社

 尹大統領は今回の出張で、オーストラリアやオランダ、フランス、ポーランド、欧州連合(EU)、トルコ、デンマーク、チェコ、カナダ、英国の計10カ国の首脳と2国間会談または略式会談(プルアサイド)を行った。2国間会談のテーマは原発と防衛産業など「セールス外交」が中心だった。尹大統領はこれに言及し、「欧州の多くの国家がウクライナ事態で改めて認識したエネルギー安全保障と2050炭素中立を実現するため、新規原発に対してかなり関心を示した」とし、「私はこのように説明した。韓国の原発が世界で最も安価で、最も安全で、最も迅速に施工を完了できる。皆さんがおそらく参謀たちに報告を受けることになれば、そして私たちの競争国や企業が提示する報告を受けてみれば、大韓民国の提案が最も合理的だということが分かると、自信を持って説明した」と伝えた。

 また、防衛産業と関連しては「(韓国は)防衛産業物品を輸出した後で適切な時期に技術を移転していく折衷交易の形を維持してきたが、我々と初期から共同で研究開発を行い、技術を共有することを希望する国が多かった。(これについては)国防部長官が、原発部分については産業部長官が、引き続き相手国の長官らと細部の協議を進めながら、話し合いを続けていくことになるだろう」と会談結果を評価した。

 尹大統領は今回のNATO会議出席で最も意味のある日程として「韓米日首脳会談」を挙げた。また「NATO首脳会議の本会議に出席し、各国首脳から安全保障の懸案に対する立場を聞いたことが2番目に意味があった。韓国とともに参加した日本、オーストラリア、ニュージーランドのアジア太平洋4カ国(AP4)の首脳会議もかなり意味があったと評価したい」と述べた。

 尹大統領は政治資金法違反の疑いで検察の捜査を受けることになったキム・スンヒ保健福祉部長官候補の進退と関連し、「国内問題はソウルに戻り、把握してから答える」と言葉を濁した。帰国した尹大統領の前には二人の長官候補とキム・スンギョム合同参謀本部議長候補者に対する任命の可否、キム・チャンリョン警察庁長官の辞表受理の可否、集中豪雨、高物価・高金利・ウォン安の「三重苦」の状況など、懸案が山積している。

キム・ミナ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/1049314.html韓国語原文入力: :2022-07-01 23:45
訳H.J

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