世界保健機関(WHO)は、大規模な人の移動が見込まれる夏休みシーズンにサル痘の拡散速度が速まる可能性があると警告した。
WHOのハンス・クルーゲ欧州地域事務局長は31日(現地時間)、声明を発表し、その中で「このところ国際旅行やイベント規制が解除されつつある中、サル痘の拡散が速くなっている」とし「欧州と全世界で、この夏の間にサル痘が拡散する可能性が高い」と述べた。dpa通信が報道した。同氏は「サル痘は、すでに多くの地域で人々の集まりが認められる中で広がっていった」とし「今後数カ月の間に計画されている多くのフェスティバルや大規模なパーティーなどが、サル痘拡散を促進する追加的な背景になるだろう」と語った。
クルーゲ事務局長はまた、「これまでに報告されている事例を見れば、サル痘は同性愛を含む性行為から主につながる社会関係を通じて広がっている」とし、「全てではないが、多くの場合、つかの間の関係または様々な性関係において発生し、時に大規模な行事やパーティーからつながっているケースもある」と語った。
同氏は「アフリカ中西部地域でサル痘が発見されて以来、欧州地域は最も大きく、かつ地理的に最も広いサル痘発症の震源地になっている」とし「過去の発症例を調査した結果、欧州では早くて4月中旬にはサル痘が現れていたとみられる」と述べた。同氏は、現在のところは新型コロナウイルス防疫のような措置は必要ないとしながらも、サル痘の拡散を完全に防げるかはまだ不透明だと述べた。
サル痘は現在のところ20カ国あまりで400件以上の感染者および疑い事例が報告されており、このうち300件あまりが欧州でのもの。アフリカ中西部地域のサルから初めて発見されたことが知られるサル痘は、主に濃厚接触を通じて感染すると報告されている。