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「セウォル号、潜水艦衝突など外力説の可能性は低い」…調査委員会が議決

登録:2022-06-08 02:14 修正:2022-06-08 08:09
社惨委の調査機関である真相究明局が「外力説」報告書に記載 
「可能性はあるが、明示的な証拠提示には限界」主張 
全員委、外力説は総合結論ではなく小結論にのみ反映
7日、社会的惨事特別調査委員会(社惨委)の152回全員委員会が行われている=社惨委のユーチューブチャンネルより//ハンギョレ新聞社

 社会的惨事特別調査委員会(社惨委)全員委員会は、セウォル号の沈没原因をめぐり数年間提起されてきた「外力説(潜水艦衝突説)」は可能性が低い、との趣旨の最終結論を下すことを決めた。

 7日、社惨委全員委員会(ムン・ホスン委員長)は第152回全員委員会を行い、「(セウォル号沈没発生の)外力の可能性を調査したが証明できず、外力の可能性は非常に低いと判断する」とする総合結論を出すことを前提として、真相究明局の調査結果報告書の採択を修正のうえ議決した。セウォル号船体調査委員会は沈没原因について単一の結論が下せず、「内因説(船体内部の問題)」と「(外力説を排除しない)開かれた案」をそれぞれ記した2つの報告書を2018年7月に提出しているが、今回は潜水艦衝突などの外力説の可能性は低いと結論付けたのだ。全員委は、社惨委が調査結果報告書について諮問した大韓造船学会の検討意見と、オランダの海事研究所「マリン」のセウォル号の模型を使った実験報告書の結論を調査結果報告書に載せることを決めた。これらの専門家は、潜水艦衝突をはじめとする外力によるセウォル号沈没は不可能だとの意見を述べている。

 社惨委の調査機関である真相究明局は先月、沈没原因として外力の可能性があるとする内容を含めた調査結果報告書を全員委員会に提出したが、全員委の多数の委員は外力の可能性が低いとの趣旨で修正するよう要求していた。しかし、真相究明局はこの日も「外力の可能性はあると判断されるが、明示的証拠の提示には限界があった」と主張した。結局全員委は、大韓造船学会の意見やマリン報告書などを総合すると「外力の可能性は非常に低いと判断する」との総合結論を出すと修正のうえ、議決した。

 ただし全員委は、真相究明局の結論を調査結果報告書の小結論に書き込んだうえで、総合結論には外力の可能性は低いとする全員委による最終決定を載せることにした。全員委のイ・ミン委員は「この報告書は全国民が読むべき報告書であるため、私たちが議論した内容と諮問した部分、真相究明局と論争があった部分を全て記載することが重要だ」とし、「遺族を説得し合理的な意見を記載することが調査報告書の重要な役割」だと語った。カン・ギタク委員も「総合結論は全員委の委員の議論どおりにまとめることが正しい」とし、「(真相究明局の調査官の意見を)尊重し、これを残すやり方をとることで、バランスをとることができるだろう」と述べた。

 3年6カ月にわたって調査を続けてきたものの、合意されたひとつの明確な結論が下せなかったことについて、ファン・ピルギュ委員は「多くの方々が長きにわたり努力を傾けてきたが、すっきりとした結論が下せなかった部分については、委員として申し訳ないと申し上げる」と述べた。

 社惨委全員委員会の委員の任期は今月10日まで。社惨委は9月10日までに総合報告書を作成し、国会と大統領に報告しなければならない。

チャン・イェジ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/1046092.html韓国語原文入力:2022-06-07 19:32
訳D.K

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