尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の就任で執務室が龍山(ヨンサン)に移転し、リフォーム作業が進められるなど、大統領室での勤務環境が依然として慌ただしい中、大統領室への任用予定者たちが「国家情報院からの電話を待ちわびている」という冗談が出回っている。国家機密を取り扱う大統領室の職員は、国情院の身元調査を経てはじめて正式に任用され、その後ようやく「月給」をもらえるからだ。大統領室の関係者は6日、本紙の電話取材に対し「身元調査の過程で追加で確認すべきことが生じれば、国情院から(当事者に)電話がかかってくる」とし、「任用を待つ私たちの事務所でも、数人に追加の電話があった」と述べた。大統領室では、身元調査が終わっていない人も「任用予定者」の資格で働いている。
とりわけ政界から移ってきて「なりゆきで公務員」となる予定の人たちは、身元調査が終わるのを待ち焦がれている。昨年6月に政界入りした尹大統領を候補時代から支え、大統領室に出勤している人たちは、かなりの期間にわたり報酬なしで働いていることになる。身元調査の結果を待っている選対出身の大統領室任用予定者は「自費を使って働くのも一日や二日ではなく長きにわたるので、家族に申し訳なく思うことも多い」とし、「口座に月給が振り込まれるその日ばかりを待っている」と話した。このような公務員任用予定者たちは、昼時に三々五々集まって安い食堂で昼食を済ませ、食費を節約しているという。別の任用予定者は「大統領室近くの安くておいしいコストパフォーマンスの良い食堂をよく利用する。席がないので、早く行って急いで食べて出てこなきゃならない」と語った。彼らはリフォーム中の大統領室の構内食堂の来月の再オープンを待っているという。
政府省庁から大統領室に移った「元から公務員」だった人たちは、以前の勤務先から月給が出るため、任用予定者ほど状況は切迫していない。ただし、大統領室への正式任用前は追加手当ては支給されない。大統領室の関係者は「選対で働いていた特別職の任用予定者たちは、非常に長い間『手弁当』でやってきたので、国情院が身元調査を先に進めていると聞いた」と語った。大統領室の別の関係者は「身元調査後、正式に任用されれば、任用予定者の資格で大統領室に勤めていた期間の報酬もさかのぼって支給される予定」だと述べた。