「K防疫」の象徴だったチョン・ウンギョン疾病管理庁長が、4年10カ月目にして退任する。
17日、尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は、政権引継ぎ委員だったペク・キョンラン成均館大学医学部教授(感染内科)を新しい疾病管理庁長に任命すると発表した。チョン庁長はこの日、国会保健福祉委員会の全体会議への出席を最後に、疾病庁長としての公式業務を終えた。
チョン庁長は福祉委の全体会議で、2年間の新型コロナウイルス感染症の対応について「原則を持って(防疫に)努めた」と答えた。最近、尹錫悦政権が新型コロナ感染症の「科学防疫」を強調し、文在寅(ムン・ジェイン)政権の防疫を「政治防疫」と批判したことについては、このように区分するのは適切ではないと一蹴した。チョン庁長は「ワクチンや治療剤の場合、厳密な臨床試験を経て根拠を持って政策を推進した」とし、「社会的距離措置(ソーシャル・ディスタンシング)や社会的政策は、社会的合意や政治的判断が入る政策だと考えるため、(政治防疫と科学防疫のように)それを区別するのは適切ではないと判断する」と述べた。
この日、チョン庁長は午後3時頃、離任式を兼ねて職員たちと最後の挨拶を交わしたと伝えられた。チョン庁長は離任のあいさつで「感染症の大流行が、健康・保健危機を超えて社会・経済・文化など私たちの社会のすべての分野に莫大な影響を及ぼすことを経験した」とし、「私たちの決定と判断が国民生活と安全に大きな影響を及ぼし、疾病管理庁の責任が重大になった」と強調した。チョン庁長は「責任感は重く持ちつつ、より自信を持って、お互い励ましあいながらコロナ危機を克服すると信じて応援する」と最後のあいさつを伝えた。
医師出身のチョン庁長は、1995年に疾病管理本部の前身である国立保健院の保健研究官に特別採用として任用され公職に入った後、保健福祉部の応急医療課長、疾病政策課長などを務めた。2014年には疾病管理本部疾病予防センター長を務めた後、2016年からは緊急状況センター長を務めた。
2015年の中東呼吸器症候群(MERS)当時、最前方で危機管理対応をした経歴が認められ、2017年7月から疾病管理本部長を務めた。初の女性疾病管理本部長だった。その後、2020年9月に疾病管理本部が疾病管理庁に昇格し、庁長の座に任命された。チョン庁長は、感染症に対する専門性と組織内の厚い信望をもとに、新型コロナ感染症の司令塔の役割を十分に果たした。新型コロナの初期の3T戦略(検査・追跡・治療)を通じて大規模な感染者を抑制し、初期防疫体系を確立した。
特にブリーフィングでの落ち着いた対応と献身的な姿は、国民に深い印象を残した。新型コロナ流行初期に最初の感染者が出た後から、毎日ブリーフィングに出席したチョン庁長の徐々にやつれていく顔と白髪頭、ブリーフィング現場での古い靴などが話題になりもした。
チョン庁長は、米国の時事週刊誌「タイム」が選定した「2020世界で最も影響力のある100人」と、BBCの「2020今年の女性100人」にも選ばれた。