検察の捜査・起訴権分離法案が27日午後、国会最後の関門である本会議に上程された。与党「共に民主党」の単独で同日午前0時過ぎに国会法制司法委員会全体会議を通過してから約17時間後のことだ。当初の与野党合意を覆し、法案反対に転じた野党「国民の力」は、国会で座り込みを行う一方、本会議場ではフィリバスター(無制限討論)で採決の阻止に乗り出した。尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権発足(5月10日)を目前にして、与野党が極限の対峙に突き進んでいる。
国会は同日午後5時、本会議を開き、捜査・起訴権分離のための検察庁法と刑事訴訟法改正案を上程した。22日に仲裁案を出し、共に民主党のパク・ホングン院内代表と国民の力のクォン・ソンドン院内代表の合意を引き出したパク・ピョンソク国会議長は同日、本会議を招集し、「議員総会の追認まで受けた合意案を一方的に白紙に戻した前例はない。深い遺憾を表明する」と述べ、国民の力を批判した。
国民の力はフィリバスターや座り込みをはじめ、国会法司委の案件調整委員会の効力停止仮処分を申し立てるなど、法案の阻止に総力を傾けた。同日の本会議でフィリバスターのスタートを切ったクォン院内代表は、「この5年間何をしていたのか。なぜ大統領選挙も終わった政権末期に、まるで軍事作戦のように法案を議決しようとするのか」とし、「検察を手なずけることに失敗し、今度は検察の殻だけを残そうとしている」と糾弾した。尹錫悦次期大統領秘書室長のチャン・ジェウォン議員は記者団に対し、「捜査・起訴権分離法案を6月1日の地方選挙の際に国民投票に付す案を、尹次期大統領に報告するつもりだ」と述べた。
民主党は二つの法案を処理するため、1日の臨時国会を2回開く方式で国民の力のフィリバスターを無力化する戦略で対抗した。同日行われたフィリバスターは、夜12時に国会会期が終わり、終了した。民主党は30日、新会期で開かれる本会議で、検察庁法改正案を処理し、来月3日には同じ形で刑事訴訟法改正案を可決させ、捜査・起訴権分離法案の立法を終わらせる計画だ。
民主党は同日午前0時11分、国会法司委の全体会議で、これら二つの法案を国民の力議員数十人が抗議する中、単独で議決した。法案は検察が直接捜査を開始できる6大犯罪のうち、選挙、公職者、防衛事業、大規模惨事の4つは4カ月後に捜査権を廃止することにした仲裁案に、選挙関連犯罪に対する検察捜査権を今年末までに残す内容を附則として追加した。