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今度は韓国銀行総裁の人選めぐり攻防…新旧権力の対立続く

登録:2022-03-24 06:23 修正:2022-03-29 07:14
文大統領、韓銀総裁候補に 
イ・チャンヨンIMFアジア太平洋局長を指名 
大統領府「次期大統領側の意見を聞いて人選」 
引き継ぎ委「協議したことない」と反論 
監査委員の人選も「懸念材料」
文在寅大統領が今月23日、新しい韓国銀行総裁の候補にイ・チャンヨン国際通貨基金(IMF)アジア太平洋担当局長(写真)を指名した/聯合ニュース

 文在寅(ムン・ジェイン)大統領が今月23日、韓国銀行総裁候補にイ・チャンヨン国際通貨基金(IMF)アジア太平洋担当局長(62)を指名した。今月31日に退任するイ・ジュヨル総裁の後任人事で、大統領府は「尹錫悦(ユン・ソクヨル)次期大統領側の意見を聞いて選んだ」と明らかにしたが、尹氏側は「協議したことはない」と反論した。大統領執務室の移転をめぐり真正面から衝突した両者が、今度は韓銀総裁の人選をめぐり攻防を繰り広げ、新旧権力の極限の対立が収拾どころか激しさを増している。

 大統領府のパク・スヒョン国民疎通秘書官は同日の午後12時10分に緊急ブリーフィングを開き、イ局長を候補に指名した事実を発表した。パク首席は「イ局長はソウル大学経済学部教授とアジア開発銀行(ADB)首席エコノミストなどを経た経済と金融の専門家で、国内・国際経済および金融通貨分野についての理論と政策、実務を兼備している」とし、「経済と財政・金融全般に対する豊富な識見や経験、グローバルネットワーク、感覚をもとに、国内外の経済・金融状況に対応する効率的かつ安定的な通貨信用政策を通じて、物価と金融市場の安定に貢献できると期待している」と述べた。

 大統領府高官はイ局長を候補に指名した背景と関連し、「(韓銀総裁)の空白を最小化するため、次期大統領側の意見を聞いて内定者を発表することになった」と説明した。尹氏がイ局長の人選に同意したため、国会人事聴聞などの今後の日程まで考慮して同日発表したという趣旨だった。しかし、尹氏側は韓銀総裁の後任人選が発表された直後、記者団に「大統領府と協議したり、推薦したことはない」と公示した。大統領府とのコミュニケーションの窓口の役割を果たしているチャン・ジェウォン次期大統領秘書室長も同日、記者団に「(イ・チョルヒ政務首席から)『イ・チャンヨンさんはどうですか?』と聞かれ、『いい方だと思います』(と答えた)」とし、「(それについて)次期大統領から何も言われていない。なのに、次期大統領側と合意した(と発表した)」と反論した。人選の協議と関連して、大統領府と尹当選者側の主張が180度違うわけだ。

 第20代大統領選挙が終わってから2週間が経ったが、今回の人選過程をめぐる対立で、文大統領と尹次期大統領の溝はさらに深まるものとみられる。尹氏の執務室の移転計画をめぐる意見の相違が解消されておらず、会合の日程さえ決められずにいる状況で、今度は敏感な人事問題で衝突したためだ。すぐ後任者を決めなければならない監査院監査委員2人の人選も、新旧権力の葛藤の爆発につながるもう一つの懸念材料に挙げられる。国民の力は昨年10月から今年3月に任期が終わる監査委員候補に文在寅政権に友好的な人物が内定されていると主張した。尹氏側関係者は同日、「(文在寅大統領と)わずか数日しか一緒に働かない人を退任前に任命するのは最後の砦にするため」としたうえで、「現政権が行っているすべてのことが、これ(監査委員の任命)に重点が置かれているのではないかという疑念を抱かせる」と話した。

イ・ワン、キム・ミナ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/1036027.html韓国語原文入力:2022-03-24 02:32
訳H.J

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