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韓国、一日のコロナ死亡者429人…「重症・死亡急増、始まりにもなっていない」

登録:2022-03-18 07:18 修正:2022-03-18 10:29
新種コロナウイルス感染症の新規感染者が36万2338人を記録した15日午後、新型コロナ担当病院であるソウル中浪区のソウル医療院から医療スタッフが入院した患者を移送した後、移動している/聯合ニュース

 新型コロナウイルスの1日の新規感染者が初めて60万人台を記録した17日、新型コロナによる死亡者も429人と過去最多になった。死亡者は前日は164人で、わずか1日で265人も急増した。防疫当局は「感染者数の増加を受け、今後、死亡者数は増加し続ける可能性がある」と明らかにした。専門家らは、感染者の増加から2~3週間の時間差をつけて死亡・重症患者が急増するだけに、今後は最悪のケースに備えなければならないと述べた。

 中央防疫対策本部(防対本)は、17日0時現在の新型コロナによる死亡者は429人だと明らかにした。死亡者は80歳以上が264人と最も多く、70代は94人、60代は43人、50代は19人の順に集計された。40代(7人)と20代(2人)の死亡者も集計された。療養病院と療養院での死亡者は148人(34%)に達する。この日の重症患者は1159人だった。8日に1000人台になった後、10日間連続で1000人台を上回り、前日は過去最多の1244人が集計された。

 わずか1日で400人台の死亡者が出たのは、この日が初めて。防対本は、集計された死亡者の全員が前日に死亡したのではなく、報告が遅れて行われている状況だと説明した。この日に発表された死亡者のうち、3日以内の死亡者は206人(48%)で、1週間以内が190人、2週間以内が21人、3週間以内が9人、3週間超が3人などだ。防対本のイ・サンウォン疫学調査分析団長は、この日の会見で、「病院で患者が非常に多く、業務が過重な状態であり、(死亡)報告が遅れざるをえない状況」だとし、「現在の平均死亡者数はまだ429人に到達しておらず、これよりさらに低い水準」だと述べた。イ団長は「しかし、このような変化(感染者の増加)は続くはずであり、今後、死亡者数は増加し続ける可能性がある」とし、「感染者数が増加し、高齢者が感染した場合の致命率によっては、死亡者も当然増加する要因になるだろう」と説明した。

 通常、死亡者と重症患者の増加は、感染者の増加から2~3週間の時間差をつけて現れることから、専門家らは、今後の死亡者は極めて大幅に増加するとみている。翰林大学江南聖心病院のイ・ジェガプ教授(感染内科)は、「報告が遅れていた人がこの日に含まれたとしても、死亡者数は大幅に増えている状況」だとし、「今日の死亡者は、2週間前に20万人の感染者が出た時のものが反映された死亡者であり、(感染者の急増による)本格的な死亡者の増加は、まだ始まりにもなっていない水準」だと述べた。

 医療システムの崩壊を懸念する声も出ている。カトリック大学医学部のペク・スニョン名誉教授(微生物学教室)は、「現在の感染者の規模をみると、重症と死亡者はまもなく2倍以上になることもありうる」とし、「病院に行けず病床が空くのを待ちながら死亡する事例が増えることも起こりうる」と述べた。イ・ジェガプ教授は「医療システムが限界に到達し始めるとなると、死亡者が急増することになり、今は崖っぷちにまで追い込まれている」とし、「高難易度の治療を要する病床はほとんど満杯の状況で、重症患者が積極的な治療を受けられず、死亡する状況が起こりうる」と述べた。

チャン・ヒョヌン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/health/1035270.html韓国語原文入力:2022-03-17 17:23
訳M.S

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