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韓国で10代のコロナ感染者が初めて死亡…自宅療養終えた後、肺塞栓症で

登録:2022-02-07 02:14 修正:2022-02-07 10:21
オミクロン株に感染…頭痛、呼吸困難などの「異常症状」訴え 
大学病院で治療、集中治療室に移ったが死亡
自己診断キット/聯合ニュース

 光州(クァンジュ)広域市で、新型コロナウイルスに感染し自宅療養をしていた高校生が、隔離解除から4日後に肺の血管が詰まって呼吸ができなくなる症状(肺塞栓症)で死亡した。コロナ感染で10代の感染者が死亡した初の例となる。専門家は、確率は低いものの、健康な若年層もコロナによって命を失いうるとし、現在の自宅療養システムを点検すべきだと指摘した。

 光州市は6日、「コロナに感染して自宅療養を経て、隔離が解除されていた高校2年生のS君(17)が今月4日に死亡した」と発表した。

 S君は先月24日にコロナ感染が確認され、27日から自宅隔離に入り、1週間が過ぎた31日に隔離解除されていた。しかしS君は隔離解除後も体調が思わしくなく、自宅療養を管理していた病院に3日未明に症状を訴えた。S君はカカオトークで、「頭がとても痛くて息がうまくできないのですが、どうすればいいですか」と尋ね、病院側は1時間後に「まず酸素飽和度を測定してみてください。頭が痛いのは頭痛ですか?」と返事を送った。さらに病院は、S君の状態が危険だと判断し、救急車を呼んで大学病院に行くよう措置を取った。だが、その日に光州のある大学病院に入院し、治療を受けていたS君は、翌日から状態が悪化したため集中治療室に移されたものの、4日午後6時43分に死亡した。

 スポーツ選手だったS君は、先月19日に済州での合宿に行く前に行われたコロナ事前検査で部活動の関係者の1人がオミクロン感染判定を受けたことから、疫学的な関係者に分類された。続いて実施されたコロナ検査では、S君ら生徒21人、教師5人、調理員1人の27人が確定判定を受けた。光州市感染症管理課のホン・サンイ課長は「S君の学校の27人の感染者のうち、感染源とされた1人は市の保健環境研究院の調査でオミクロン株への感染が確定し、残りの26人もオミクロン株に感染したとみられるため、疫学的な関係者として分類された」と述べた。

 S君の治療に当たった大学病院は、S君の死亡原因を「コロナ感染による肺塞栓症」と診断した。運動選手であり、特別な基礎疾患もなかったS君は、昨年10月18日にワクチンの1次接種、11月18日に2次接種を完了していた。防疫当局は、S君の正確な死亡の経緯などについて調べている。

 専門家は、健康な10代がコロナ感染で肺塞栓症になる確率は低いものの、まったくあり得なくはないと説明する。肺塞栓症はコロナ感染の代表的な合併症だ。足などの静脈で生じた血栓が血管を伝って移動し、肺血管を塞いで急激な呼吸困難などを引き起こすものだが、治療しなければ死亡率は30%に達する。嘉泉大学吉病院のオム・ジュンシク教授(感染内科)は「国内の若い年齢層で肺塞栓症が確認された初の例。オミクロン株は軽症だと言われるが、デルタ株に比べればそうだというもので、風邪のような病気だという意味ではない。流行が大規模になれば持病の有無、ワクチン接種の有無を問わず誰もが死亡する恐れがある」と述べた。

 最近、自宅療養の隔離解除に必要な日数が10日から7日に短縮されたことについて専門家は、隔離解除は完治を意味するわけではないと強調する。カトリック大学医学部のペク・スニョン名誉教授(微生物学教室)は「7日はウイルスが消える期間ではなく、感染力が顕著に落ちる期間を意味する。若年層には1週間が過ぎてからウイルスが遅れて増殖するケースがある。健康モニタリングでそのような部分を把握すべきだったのに、できていなかったようだ」と語った。ペク教授は「若年層は酸素飽和度が落ちても元気だから、それがあまり認知できない恐れがある。自宅療養キットが適切な時期に供給され、若者の健康モニタリングも十分に行われなければならない」と付け加えた。

チョン・デハ、チャン・ヒョヌン、イム・ジェヒ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/1029921.html韓国語原文入力:2022-02-06 17:06
訳D.K

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