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韓国大統領選、与党と野党の候補が同率35%…旧正月の民意が勝敗を分ける

登録:2022-01-29 02:41 修正:2022-01-29 10:05
ギャラップ「アン・チョルス15%、シム・サンジョン4%」 
与党イ・ジェミョン候補は40~50代、野党ユン・ソクヨル候補は60代以上が支持
//ハンギョレ新聞社

 韓国大統領選挙の票の行方をめぐり、家族や親戚の民意が集う旧正月(2月1日)の連休を控えた現時点で、与党「共に民主党」のイ・ジェミョン候補と野党「国民の力」のユン・ソクヨル候補が支持率で同率を記録し、激しく競り合っている。イ・ジェミョン候補は28日、軍部隊を訪問して北朝鮮のミサイル発射を批判し、ユン・ソクヨル候補は「デジタルプラットフォーム政府」構想を明らかにするなど、自分こそが国政運営の適任者であることを強調した。両候補は、旧正月の連休が始まる週末には対外日程を減らし、31日に予定されている1対1討論の準備に集中するという。

韓国ギャラップの旧正月直前調査、イ候補とユン候補ともに35%

 韓国ギャラップが今月25日から27日にかけて、全国の1000人の成人に対して、どの大統領候補を支持するかを尋ねたところ(信頼水準95%、標本誤差±3.1ポイント)、イ・ジェミョン候補とユン・ソクヨル候補は35%で同率だった。1週間前の調査と比較してイ候補は1ポイント、ユン候補は2ポイントの上昇。旧正月の連休を控え、2強候補の熾烈な接戦が数値で確認されたかたちだ。国民の党のアン・チョルス候補は先週より2ポイント下落の15%で、依然として存在感を示している。正義党のシム・サンジョン候補は4%で、意見留保は10%だった。

 韓国ギャラップは「年齢層ごとにみると、40~50代ではイ・ジェミョン、60代以上ではユン・ソクヨルが40%を上回る。アン・チョルスは全年齢層で比較的均等な支持、シム・サンジョンは女性や20代から支持を得ている」と分析した。また「主観的政治傾向ごとにみると、進歩層の65%がイ・ジェミョン、保守層の65%がユン・ソクヨルを選択しており、中道層ではイ・ジェミョン、ユン・ソクヨル、アン・チョルスの3者が激しく争っている」と説明した。詳細は中央選挙世論調査審議委員会のウェブサイトを参照。

共に民主党のイ・ジェミョン候補(左)が28日午前、京畿道金浦市の海兵隊第2師団を訪れ、海兵隊に関する公約を発表している=金浦/共同取材写真//ハンギョレ新聞社

イ候補は海兵隊に、ユン候補はデジタル政府構想

 イ・ジェミョン候補はこの日、京畿道金浦(キンポ)の海兵隊第2師団を訪れ、「大韓民国の大統領選が行われる時点において、集中的なミサイル発射によって国論を分裂させている」として北朝鮮を批判した。イ候補は北朝鮮のミサイル発射について「朝鮮半島の不安定をもたらす行為であり、非常に遺憾に思う」「強く糾弾する」と述べた。イ候補は北朝鮮が2発の短距離弾道ミサイルを発射した前日にも「大統領選に非常に悪い影響を及ぼしており、大韓民国の内政に影響を与えようとしているのではないかという疑念も生じている」と述べている。北朝鮮のミサイル発射を「内政干渉」「国論分裂用」などと規定し、連日批判の水準を高めている。北朝鮮の武力示威によって国民の不安が高まる恐れがあるとの判断に沿って、「安保大統領」のイメージを強化しようとの意図があるとみられる。

 ユン・ソクヨル候補は、ソウル汝矣島(ヨイド)の党本部で記者会見を開き、「韓国をデジタル経済覇権国家にする」とし、人工知能(AI)産業の育成▽ソフトウェア産業の発展▽高度化したデジタルインフラの構築▽デジタル融合事業に対する支援▽サイバーセーフティーネットの構築▽デジタル人材100万人育成の「6大戦略」を打ち出した。「デジタルプラットフォーム政府」の構築というキーワードによって将来の政府の効率化、科学技術産業の育成、これを通じた雇用創出などを強調したものだ。ユン候補は、この日午後に開かれたベンチャー・ICT革新戦略討論会では「デジタルプラットフォーム政府は行政の効率化だけを意味するものではなく、誰もが参加するデジタル民主主義を通じた国民の幸福増進が最優先」とし「絶え間ない挑戦の機会が開かれるよう、ICT産業と革新ベンチャーをきちんと育てていくのが真の雇用政府」と強調した。

国民の力のユン・ソクヨル候補が28日午前、ソウル汝矣島の党本部でデジタル経済政策に関する公約を発表している=キム・ボンギュ先任記者//ハンギョレ新聞社

 アン・チョルス候補はこの日、ソウル中区(チュング)のプレスセンターで行われたソウル外信記者クラブ招請記者懇談会に出席し、対中国3不政策の廃棄を約束するなど「右旋回」した外交・安保政策を明らかにした。アン候補は「韓米同盟を強化するほか、北朝鮮の核の脅威に対抗する『韓米核共有協定』の締結を推進する」と強調するとともに、文在寅(ムン・ジェイン)政権の対中国3不政策は「非合理的であるだけでなく、大韓民国の尊厳と自主性を害する非常に誤った政策」だとして廃棄すると述べた。3不政策とは、THAAD(終末高高度防衛ミサイル)のさらなる配備は行わず▽韓米日3カ国軍事同盟には参加せず▽米国が主導するミサイル防衛(MD)システムには入らないという文在寅政権の対中国基調を指す。

 シム・サンジョン候補は同日未明の慶尚南道昌原市城山区(チャンウォンシ・ソンサング)の昌原工業団地での旧正月のあいさつを皮切りとして、昌原と釜山(プサン)地域を回った。また、HJ重工業(旧韓進重工業)復職闘争中のキム・ジンスク民主労総釜山本部指導委員と会い、「今回の大統領選は労働(に関する議論)が失われ、退行しており、心が重く申し訳なく思う」と述べた。

シム・ウサム、キム・ガユン、イ・ワン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/1029254.html韓国語原文入力:2022-01-28 20:34
訳D.K

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