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韓国も極超音速ミサイルを開発していた…2020年代後半より実戦配備を予想

登録:2022-01-07 01:05 修正:2022-01-07 07:53
国防科学研究所が技術を蓄積 
より遠く、より複雑に飛行する極超音速巡航ミサイル
昨年12月に国防科学研究所が公開した超高速飛翔体の試験モデル「ハイコア(Hycore)」=国防科学研究所の広報映像より//ハンギョレ新聞社

 北朝鮮だけでなく、韓国も極超音速ミサイルを開発している。2020年8月にチョン・ギョンドゥ国防部長官(当時)は大田(テジョン)の国防科学研究所(ADD)創設50周年記念式で、超音速ミサイルの開発に拍車をかけると明らかにしている。チョン長官の発言は、初めて超音速兵器の開発を政府が公式に認めたもの。チョン長官の発言に続き国防部は、2020年12月の全軍主要指揮官会議において、様々な核・大量破壊兵器(WMD)の脅威を戦略的に抑制するとの観点から、極超音速誘導弾を「所要決定」するという意思を明らかにしている。兵器開発の過程における「所要」とは、獲得(研究開発または購入)計画を意味する。

 当時、国防部が極超音速兵器の開発を公式に宣言した背景には、ADDが最重要技術をすでに保有しているため、その気になれば開発できるという自信があった。軍内外の説明によると、韓国の方が北朝鮮より極超音速ミサイルの開発技術力が優れているという。北朝鮮が発射実験を行ったミサイルは極超音速滑空体(HGV)だが、ADDが開発しているのは極超音速巡航ミサイル(HCM)だ。より長距離をより複雑に飛んでいくHCMは、HGVより開発が難しい。

 HGVは曲線を描いて降下し、最終段階でグライダーのごとく水平に滑るように飛行する。HGVは、発射の初期と中期には弾道ミサイルのような放物線を描くので、相手は飛行軌道を探知して備えることができる。

 一方HCMは、最初から低高度を高速で飛行するため敵のレーダーには捉えられず、相手の指令部、軍事施設などの重要な標的を精密に奇襲し、打撃を与える。マッハ5のHCMをソウル上空から発射すれば、250キロ離れた平壌(ピョンヤン)までは1分15秒ほどで到達する。

 ADDは2004年から2007年にかけて液体ラムジェット(RamJet)推進機関を開発してきた。HCMは、速すぎて一般のジェットエンジンは使えず、空気を直に燃焼させるラムジェット推進機関を使用しなければならない。ADDはかなり前からHCMの最重要技術の開発に取り組んでいたのだ。

 ADDは2010年から2012年にかけて極超音速の最重要技術の応用研究を行っており、2011年から2017年にかけては超高速空気吸入エンジン特化研究室を設置して関連研究に取り組んでいる。これをもとに、2018年からはマッハ5以上の地上発射型極超音速飛行体の開発に取り組んでいる。

 ADDは昨年12月、超高速飛翔体の試験モデル「ハイコア(Hycore)」を公開した。全長8.7メートル、重さ2.4トンのハイコアは、弾頭と探索機を除き、ミサイルに必要なものはすべてそろっている。ADDは、今年中に初のハイコア発射実験を行い、2023年までには飛行実験を終える計画だ。これをもとに、早ければ2020年代後半には極超音速ミサイルが実戦配備できると見られる。

クォン・ヒョクチョル記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/1026272.html韓国語原文入力:2022-01-06 16:15
訳D.K

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