本文に移動

韓国当局、元日にDMZ超えたのは1年前に脱北した30代と推定

登録:2022-01-04 06:46 修正:2022-01-04 07:38
1日正午、江原道高城の民間人統制線監視カメラに映る 
北朝鮮、越北者の安全保障に関する通知文に「受信した」
「9・19南北軍事合意」に基づき、非武装地帯(DMZ)内で試験撤収した監視警戒所(GP)のうち歴史的価値を考慮して原型を保存することにした江原道高城GP。越北者は同GP近くを通って軍事境界線を越えたものと見られる//写真共同取材団//ハンギョレ新聞社

 元日に起きた東部戦線の越北(北朝鮮に渡ること)について、韓国当局は脱北民のA氏を越北者と推定し、関連事実を確認中だと明らかにした。

 韓国国防部関係者は3日、「Aは2020年11月に江原道高城(カンウォンド・コソン)の軍事境界線を越えて韓国に渡った30代初めの人物」だとし、「Aを越北者と推定する根拠は、1日正午ごろ、江原高城一帯の民間人統制線(民統線)の監視カメラにAが映っていたため」だと説明した。越北者は今月1日午後6時40分に一般監視所(GOP)の鉄条網を越え、同日夜10時40分に軍事境界線を越えた。A氏は昨年12月29日を境に、12月30日以降は連絡が途絶えたという。

 同関係者は「当局の確認過程で民統線の監視カメラ画面に映った人がAと顔や着衣が同一と言っていいほど酷似しており、肉眼で顔の識別が十分に可能だった」と説明した。軍事境界線2キロメートル下に南方限界線の鉄条網がある非武装地帯があり、軍の作戦と保安のため軍事境界線10キロメートル前後に民間人統制線が設定されている。民間人の出入りが厳しく統制された非武装地帯とは違って、民統線は監視警戒所で身元が確認されれば、民間人の出入りが可能だ。

 国防部関係者は「脱北ルートと越北ルートは江原道高城地域だが、同じルートではないものと聞いている」と説明した。

 同関係者は「今回の越北に北朝鮮が関連した可能性はないと聞いており、詳しいことは関連機関で確認している」と明らかにした。当局は、A氏が国内に定着した後の職業が軍事情報などに接近しにくいうえ、A氏の韓国定着過程が順調ではなく、ホームシック気味で、周りに不遇を嘆いていた点などを踏まえ、北朝鮮との関連性は低いと見ている。

 国防部関係者は「Aが一部メディアの報道どおり、北朝鮮で体操選手として活動したかどうかは確認されていない」と述べた。A氏は2020年11月に脱北した際、「学校で器械体操を学んだ」と話したことがあるという。

 国防部の関係者は「(越北者の)身辺安全保障に関する内容を記した対北朝鮮通知文を2日午前、午後にわたり2回送った」とし、「北朝鮮は何の反応も示していないわけではなく、『受信した』と返信した。身辺安全保障に対する返事はなく、現在待っている状態」だと述べた。

クォン・ヒョクチョル記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/1025788.html韓国語原文入力:2022-01-03 20:28
訳H.J

関連記事