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「半導体好況」めぐる不都合な質問【記者手帳】

登録:2026-05-02 06:35 修正:2026-05-02 09:13
サムスン電子が、2026年第1四半期の営業利益が57兆2000億ウォンで、2025年同期比755%増となったとの暫定集計を公示した4月7日、京畿道水原のサムスン電子本社に車が入っていく様子/聯合ニュース

 2大半導体企業のサムスン電子とSKハイニックスの第1四半期の営業利益は、予想通り過去最大となった。特に、韓国のどの企業も達成したことのない「四半期営業利益57兆ウォン(約6兆円)」を達成したサムスン電子は、文字通りお祭りムードだった。しかし、お祭りの時間はそう長くは続かなかった。サムスン電子は、この莫大な利益がかえって成功への道のりの足かせになりかねない状況だ。

 早速、労働組合はより多くの業績給を要求し、全面ストライキを予告した。特別配当に対する株主たちの期待も高まっている。利益が増えれば増えるほど、それぞれの取り分を増やそうとする争いは激化するだろう。それに加え、一方では「相対的剥奪感」が深まっている。超過利益の分配に向けた協議の席に座ることのできない協力企業の労働者たちが、特にそうだ。厄介な仕事を任せられながらも、常に弱い立場に立たされている彼らは、元請け企業の労働者たちの「業績給の宴」を眺めながら、労働の価値や達成感にも格差があることを痛感するだろう。

 半導体の超過利益分配をめぐる論争は今回が初めてではない。スマートフォンの出荷が急増した2018年、半導体は国内単一品目として初めて年間1000億ドルを突破する輸出記録を打ち立てた。当時も、これら半導体企業2社は過去最高の実績を上げた。SKハイニックスは基本給の1700%水準の業績給を提示したが、労働組合は反発した。協力企業が超過利益分配の議論から疎外された点は、今と変わらなかった。これを受け、文在寅(ムン・ジェイン)政権は「協力利益共有制」という名目で、大企業と協力企業が自律的に成果を分かち合う政策を推進した。

 だが、これもまた目新しい政策ではなかった。李明博(イ・ミョンバク)政権の「共生成長委員会」が2011年、すでに「超過利益共有制」を提案したことがある。しかし当時、サムスン電子のイ・ゴンヒ会長が「資本主義国家で使う言葉なのか、共産主義国家で使う言葉なのか分からない」と強く批判したことで、政府は後退せざるを得なかった。財界は7年後、「協力利益共有制」をめぐっても同様の論理を掲げて反発した。協力企業の貢献度を正確に評価するのが難しい上、損失が出た場合はどうするのかという財界の主張の前に、文在寅政権の法制化の試みは水泡に帰した。

 それから再び8年が過ぎた。今回は超過利益がさらに増え、それに比例して労働組合の反発はさらに激しくなり、協力企業の疎外問題はより浮き彫りになっている。キム・ジョングァン産業通商資源部長官は先月27日の記者懇談会で、「サムスン電子の成果が経営陣と労働者だけの結実なのか、考えてみる必要がある。数多くのインフラや協力会社、地域社会など、半導体のエコシステム全体が作り出した結果という側面があるだけに、(超過利益の分配も)エコシステムを構成するすべての主体が共に悩み、成熟した判断を下すべき事案だ」と述べた。的確な指摘だ。ただし、この問題を解決すべき責任は政府と国会にもある。

 未来のために投資すべきだという経営陣の論理、人材流出を防ぐために正当な報酬が必要だという労働組合の論理、元請けが苦境に陥れば真っ先に被害を受けるだけに、すでに損失も共有しているという協力企業の論理、いずれも正しく尊重されるべきだ。重要なのは、だからこそエコシステム全体がさらに繁栄できるよう、いかにして超過利益を分配するか、今こそルールを策定しなければならないという点だ。業界では「半導体スーパーサイクル」が3年以上続くという見通しが出ている。その期間、対立を深刻化させるのか、それとも共生の知恵でお祭りを楽しむのか、今こそ半導体エコシステムの主体たちが決断しなければならない。

ペ・ジヒョン | 産業チーム記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/1256723.html韓国語原文入力:2026-04-30 20:35
訳H.J

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