本文に移動

韓国大統領府「全斗煥氏の葬儀に弔問、弔花、葬儀支援一切行わない」

登録:2021-11-24 05:46 修正:2021-11-24 08:34
大統領府報道官「真実を明らかにせず、謝罪がなかったことは遺憾」 
北方政策など評価し、弔問・弔花あった盧泰愚元大統領の死去時と異なる対応
パク・キョンミ大統領府報道官が今月23日、春秋館のブリーフィングルームで全斗煥氏の死去に関するブリーフィングを開き、弔問や弔花を送る計画はないと明らかにした/聯合ニュース

 文在寅(ムン・ジェイン)大統領は全斗煥(チョン・ドゥファン)氏の葬儀に弔問せず、弔花も送らない方針を決めた。大統領府は、遺族が家族葬で執り行う意向を示したとして、韓国政府レベルの葬儀支援もしないことを明確にした。

 大統領府のパク・キョンミ報道官は23日午後のブリーフィングで「全斗煥元大統領のご冥福をお祈りすると共に、遺族にお悔やみ申し上げる」としたうえで、「最後まで歴史の真実を明らかにせず、心からの謝罪がなかったことについて、遺憾の意を表する。大統領府レベルで弔問したり、弔花を送る計画はない」と明らかにした。同日のブリーフィングでは全氏に対し、「元大統領」という呼称が使われた。「礼遇が剥奪されたからといって、前職の大統領でなくなるわけではない。死者に対する最小限の礼儀だ」と、大統領府側は説明した。

 大統領府が弔問や弔花などの儀典を省略することにしたのは、全氏が5・18光州(クァンジュ)民主化運動における発砲の責任を否定するなど真相究明に協力せず、追徴金も納めなかった上、回顧録で故チョ・ビオ神父の名誉を毀損するなど、過去の過ちについて全く反省しなかった点を考慮したものとみられる。内乱・軍事反乱の首魁で憲政を蹂躙した人を前職の大統領であるとの理由で礼遇するわけにはいかないという内部の意見が強かったという。大統領府高官は「ブリーフィングに文大統領の意思が込められている」とし、「全斗煥元大統領が5・18(光州民主化運動における民間人への発砲の)真相究明に協力せず、心からの謝罪がなかったという点に遺憾の意を表すると言ったが、その部分に注目してほしい」と述べた。反省しない全氏の死を追悼するわけにはいかないというのが文大統領の考えだという説明だ。

 大統領府は同日、韓国を国賓訪問したコスタリカのカルロス・アンドレス・アルバラード・ケサダ大統領と文大統領の首脳会談後の午後2時半ごろ、参謀会議を開き、このような方針を決めた。これに先立ち、大統領府は盧泰愚(ノ・テウ)氏が死去した当時、5・18強制鎮圧と12・12クーデター、1988年のソウル五輪、北方政策、南北基本合意書の採択などの功罪を指摘し、「故人のご冥福をお祈りすると共に、ご遺族にお悔やみ申し上げた」という文大統領のメッセージを発表した。文大統領は弔花を送り、ユ・ヨンミン秘書室長とイ・チョルヒ政務首席が葬儀場を訪れた。今回は「故人のご冥福をお祈りすると共に、ご遺族にお悔やみ申し上げる」というメッセージを報道官名義で発表する方式で、全氏と盧氏に明確に差をつけた。

 国家葬の可否や国立墓地への埋葬についても方針が決まった。全氏の側近であるミン・ジョンギ元大統領府公報秘書官は、ソウル西大門区延禧洞(ソデムング・ヨンヒドン)の全氏の自宅前で、全氏の遺言の形で火葬と家族葬の方針を伝えた。遺族が家族葬を執り行うことを希望しており、国家葬による葬儀支援は議論する必要がないというのが大統領府の説明だ。これに先立ち、イ・チョルヒ首席は「盧泰愚元大統領の国家葬」をめぐる波紋を受け、「全斗煥元大統領の国家葬や国立墓地への埋葬は一顧の価値もないと思う」とし、可能性を一蹴した。

イ・ワン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/bluehouse/1020478.html韓国語原文入力:2021-11-23 19:30
訳H.J

関連記事