「12・12事態や5・18民主化運動などに関する歴史的な過ちはあるが、直接選挙制による選出後は南北基本合意書などの北方政策で貢献しており、刑の宣告後には追徴金を納付した努力などが考慮された」(行政安全部のファン・ミョンソク議政担当官)
「国家葬の趣旨である国民統合は、完全な反省と謝罪がなければ不可能だ。虐殺者たちは市民に謝罪したこともなく、我々市民も謝罪を受けたことはない」(光州5・18関連諸団体の声明)
政府が27日午前に国務会議を開き、盧泰愚(ノ・テウ)元大統領の葬儀を国家葬として執り行うものの、国立墓地には埋葬しないことを決めたことに対し、市民社会はもとより与党の一部も反発しており、波紋を呼んでいる。盧氏とその家族は、追徴金納付と光州(クァンジュ)虐殺に対する謝罪すら拒否している全斗煥(チョン・ドゥファン)氏とは異なる道を歩んできたとはいえ、憲政を蹂躙した人物に対して国家葬など法外な礼遇だというのが反対側の主張だ。
この日午前の国務会議で故盧泰愚元大統領の国家葬計画案が了承されたことを受け、政府は本格的な葬儀準備にとりかかった。キム・ブギョム首相が葬儀委員長を、チョン・ヘチョル行政安全部長官が葬儀執行委員長を務めることが決まったほか、葬儀委顧問団の編成作業が進んでいる。葬儀の名称は「故盧泰愚元大統領国家葬」で、26日から30日までの5日にわたって葬儀が取り行われる。葬儀最終日の30日に行われる告別式と埋葬式の場所は、葬儀委員会が遺族側と協議して決定する予定だ。国家葬期間中は政府、地方自治体、公共機関が弔旗を掲げる。
しかし光州5・18諸団体は「容認できない」として直ちに反発した。5・18民主有功者遺族会のキム・ヨンフン会長はこの日、本紙の電話取材に対し「我々遺族は全斗煥だけでなく盧泰愚政権の下でも多くの弾圧を受け、依然として当時の苦しみを覚えている。盧氏は内乱罪で最高裁判所で有罪が確定したため、国家葬と国立墓地への埋葬はあり得ない。政府がこうした決定をしたことは遺憾だ」と述べた。遺族会と負傷者会、拘束負傷者会、5・18記念財団なども声明を発表し、その中で「国の憲法を破壊した罪人の葬儀を国家の名において行うこととした政府の決定に、強い遺憾の意を表する」と述べた。軍人権センターも声明で「文在寅政権は、軍人が権力を奪取するために国民を虐殺し、旗本の部隊を動かして上官を殺し、反乱を起こしても、ひとたび政権さえ握ってしまえば指導者として仰ぐべきだという誤った前例を残した」と指摘した。
正義党の大統領候補のシム・サンジョン議員は、記者にショートメッセージを送り「内乱罪を犯した元大統領から国家葬礼遇を剥奪する規定はないとの理由で、盧泰愚元大統領の葬儀を国家葬として行うというのは、国民の常識からも外れ、歴史の重みと5月の(光州の)傷を忘却したもの」とし「国家葬決定は『国家とは何か』についての韓国国民の価値観を混乱させるだろう」と述べた。
与党の一部も反発している。党指導部は「苦心の末に下した政府の決定に従う」と述べたものの、光州選出の議員を中心とした遺憾表明が相次いだ。共に民主党のユン・ヨンドク議員(光州東・南甲、選挙区名。以下同じ)はこの日、本紙に対し「国家葬決定は非常に残念で、遺憾の意を表する」とし、「いわゆる内乱首魁の嫌疑がかけられ、国家権力を国民の殺傷に使った元大統領の盧泰愚氏に対して、大韓民国の名において礼を尽くして葬儀を取り行うというのは、多くの国民にとって受け入れがたいだろう」と述べた。
チョ・オソプ議員(光州北甲)も「光州市民を虐殺した人物なのに、国家葬を行えば光州市役所に弔旗を掲げ、焼香所も設置しなければならない。こんな歴史的アイロニーがどこにあるのか」とし「(礼遇が剥奪された元大統領の国家葬を禁止する)法改正案を早く処理できなかった私たちの責任でもある。非常に残念で複雑だ」と述べた。文在寅政権の大統領府出身のミン・ヒョンベ議員(光州光山乙)も「民主主義体制のアイデンティティを自ら否定するもの」とし「無力感をどうすることもできない」と述べた。