「先生、大変です。卒業アルバムに載せる写真がありません」
ソウル城北区のD中学校で3年生を受け持つ教師のKさん(54)は、来年2月に卒業する3年生の卒業アルバムを一緒に作る同僚教師から、「生徒の団体写真がない」と言われた。 慌てたKさんは急いで写真を探してみたが、学校のパソコンに保存されている写真の中の時間は、新型コロナウイルスが広がる前の2019年で止まっていた。今年の中学3年生たちは、1年生だった2019年を除けば、この2年間団体活動を行ったことがないからだ。結局、Kさんは80ページにする計画だった卒業アルバムを60ページに減らさなければならなかった。Kさんは「先月行われた体育大会が今年初の行事だったが、その時、団体写真をたくさん撮った」とし、「おそらく今回の卒業アルバムの団体写真は、ほぼ体育大会の写真になるだろう。子どもたちが卒業後、中学時代を思い出す写真があまりなくて残念だ」と話した。
コロナ禍が長期化するにつれ、卒業アルバムを制作中の小中高校側の悩みも深まっている。これまで遠隔授業の期間が長く、登校しても感染を懸念して団体活動をほとんど行わなかったため、アルバムに入れる写真がないからだ。ソウル冠岳区(クァナクク)のS高校3年生の担任教師Oさん(28)は「アルバムの紙面を埋めるために、以前撮っておいた団体写真を拡大して使い、生徒たちにも個人的に友達と撮った写真でも持ってきてほしいと頼んだ」と話した。ソウル蘆原区(ノウォング)のN中学校の卒業アルバム制作担当教師のAさんも「うちの学校の場合、昨年の写真が全くない」とし、「今年は3分の1ずつ生徒が分散登校する際に、卒業式の映像に使おうと時々撮っておいた映像があるので、それを使う予定」と話した。
このような状況のため、卒業アルバムの各制作会社は、生徒たちの団体写真に代わるさまざまなアイデアを出している。ソウル恩平区(ウンピョング)でアルバム制作会社を運営するカメラマンのKさん(42)は「最近は生徒個人の写真を数人が一緒にいるように合成してアルバムに入れている」とし、「主に学校の写真を背景に入れるが、できるだけ合成が目立たないように編集している」と語った。京畿道河南市(ハナムシ)で写真スタジオを運営するソン・クムランさん(36)は「小学校の場合、子どもたちが作った絵や直接書いた詩を撮影してアルバムに入れたりもする」とし、「体育大会や遠足のように子どもたちの思い出となるイベントがすべてなくなり、残念に思う」と話した。
段階的な日常回復(ウィズコロナ)の実施を受け、学校も最近はさまざまな行事や屋外団体活動を慎重に再開している。ソウル鍾路区(チョンノグ)のJ高校1年生のP君(17)は11日、入学後初めてクラスメートたちと遊園地に遊びに行った。P君は「これまでずっとオンライン授業で画面越しに顔を合わせていたが、初めて28人ものクラスメートと団体で遊びに行くことになって、最初はぎこちなかった。でもすぐ打ち解けて、たくさん写真を撮って楽しく遊んだ」と話した。「ウィズコロナ」でようやくクラスメートや先生と会うことができたが、「非対面」の期間が長引いたせいで、笑えないハプニングも起きている。ソウル城北区(ソンブクク)のD中学校1年生の担任教師Bさんは、昼休みにマスクを外した自分のクラスの生徒を見て、誰なのかすぐには分からなかったという。Bさんは「生徒たちがあいさつするたびに、誰だろうと考えてしまう」と話した。