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巣ごもり続ける受験生…勉強カフェはガラガラ、プレゼントもオンラインで=韓国

登録:2021-11-12 08:53 修正:2021-11-12 10:13
受験生の家族「会食も控え、風邪をうつさないように厚着」
2022学年度の大学修学能力試験(修能)を1週間後に控え、全国の高校が遠隔授業に切り替えた今月11日午前、ソウル松波区の蚕室高校で、先生が遠隔授業を行っている=写真共同取材団//ハンギョレ新聞社

 「大学修学能力試験(修能:日本のセンター試験に当たる)を準備する受験生が見当たりません。去年も少しはいたのに、今年は全滅ですよ、全滅」

 11日、ソウル陽川区木洞(ヤンチョング・モクドン)で勉強カフェを運営するAさん(47)は、段階的な日常回復(ウィズコロナ)が実施されてからも、売上は改善していないと語った。修能の試験日が1週間後に迫っているが、先月まで続いた営業時間制限の影響が残っているうえ、新型コロナウイルスへの感染を恐れて受験生が足を運んでいないためだ。Aさんは「修能を控え、突然勉強場所を変えることもないだろう。この周辺の学校では保護者に対し、感染のリスクがあるから、生徒たちが勉強カフェに行かないよう指導してほしいと言っていると聞いた」と語った。

 社会はウィズコロナの雰囲気で盛り上がっているが、2022年度修能試験日を1週間後に控えた受験生たちは、緊張感の中で落ち着いて試験に備えている。感染を恐れて、ほとんどの受験生が自習室や勉強カフェの代わりに自宅で勉強に励んでいる。保護者など受験生の家族らも外出を控え、受験生を応援するためのプレゼントもギフティコン(韓国のソーシャルギフトサービス。受け取った人がそのバーコードを提示してお店で商品と交換したり、住所を登録して送ってもらえる)などで、非対面でやり取りをしている。

 一時は修能を控えた受験生たちに勉強カフェや自習室が人気だったが、今は自宅での修能に備えるのが主流となっている。ソウル永登浦区(ヨンドンポグ)で自習室を経営しているKさんは「コロナ禍以前は修能を控え、約30~40人が利用していたが、現在は受験生が4~5人しかいない。感染のリスクを避けるため、自習室の利用を止める人が増えた」と語った。ソウル陽川区で勉強カフェを運営するLさん(49)は「普段は修能が近づくと利用客が急増したが、今年は受験生が来ない。体調管理もあるだろうが、コロナ禍が長期化したことで、外で遅くまで勉強するパターンがなくなったのかもしれない」と話した。全国のすべての高校も、この日から修能当日まで遠隔授業を行う。

 受験生と一緒に暮らす家族はウィズコロナについて不安を抱いている。受験生の娘を持つソン・ヨンイルさん(51)は「夫にも会食をせず、カラオケに行かないようにと言っている」とし、「家族の誰かが風邪でもひいて娘にうつると困るので、厚いダウンジャケットを着て、体調に気をつけている」と話した。友人とのコミュニケーションが制限され、ストレスが溜まっていく受験生もいる。受験生の子どもを持つSさん(50)は「本来なら友達と会って試験前に不安を解消しなければならないのに、外出を控えて一人で気持ちを落ち着かせなければならず、かなり苦しんでいるようだ」と語った。

 受験生を励ましたり、応援するためのプレゼントもギフティコンやオンライン商品券に取って代わられている。受験生の知人に飲み物のクーポンをプレゼントしたという会社員のYさんさん(30)は「以前は受験生用のお菓子などをプレゼントしたが、今回はワクチン接種を受けたとしても、直接受験生に会うのは不安だったので、ギフティコンを送った」と話した。

 今回の修能は、昨年同様、新型コロナ感染者と自主隔離中の人も受験できる。教育部は今月9日、「修能受験者のうち、病床などの配分が必要な感染者は66人、修能日以降まで自主隔離しなければならず別途の試験場が配分された人は12人だ」と明らかにした。

イ・ウヨン、チャン・ヒョヌン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/1018955.html韓国語原文入力:2021-11-12 02:37
訳H.J

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