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米国で5~11歳へのコロナワクチン接種開始…韓国「まだ検討していない」

登録:2021-11-05 02:00 修正:2021-11-05 08:57
EUと韓国、同一年齢帯の承認ワクチンなし
3日(現地時間)に米国で5~11歳の子どもへのコロナワクチン接種が始まった。ロサンゼルスのオブレゴンパークに設置された接種所で、5歳の少女がワクチンを接種され、泣きそうになっている=ロサンゼルス/AP・聯合ニュース

 米国で5~11歳の子どもへの新型コロナウイルスワクチン接種が3日(現地時間)、本格的に開始された。一方、韓国の防疫当局は12歳未満への接種を検討しておらず、他国での接種の実施状況などを十分に検討してから決めるとの立場だ。

 コロナ予防接種対応推進団のキム・ギナム接種企画班長は、4日の定例ブリーフィングで「5~11歳の年齢層に対する接種を実施するかどうかは、食品医薬品安全処(食薬処)の許可、他国の接種実施状況、国内外の研究結果などをもとに、十分に検討してから決める計画」だと述べた。これに関連し、中央事故収拾本部のパク・ヒャン防疫総括班長は、この日午前のKBSラジオ『チェ・ギョンヨンの最強時事』でのインタビューで、「12歳未満の子どもへの接種はまだ検討しておらず、他国の現状や食品医薬品安全処その他の研究結果を見て、もう少し検討する予定だ」と述べた。

 米国食品医薬品局(FDA)は先月29日、5~11歳に対するファイザーのワクチンの緊急使用を承認した。今月2日には疾病予防管理センター(CDC)もワクチン接種勧告案を承認したことから、2800万人にのぼる5~11歳の子どもへの接種が始まった。非営利の保健研究機関であるKFFが先月28日に公開したアンケート調査結果によると、5~11歳の子どもを持つ親のうち、ワクチンを直ちに接種させると答えた人の割合は27%だった。これは1カ月前の調査より7%低いもので、回答者の30%は子どもにワクチンを絶対に打たせないと答えた。回答者の76%は、「長期的な副反応が心配」という反応を示した。米国立アレルギー・感染症研究所(NIAID)のアンソニー・ファウチ所長はこの日、CNNの番組に出演し、自分の子どもが5~11歳なら間違いなくワクチンを接種させると述べ、保護者にワクチン接種を勧告した。

 一方、欧州連合(EU)はもちろん、韓国国内にも12歳未満に対する接種が承認されたコロナワクチンはまだない。キム班長は「国内でその年齢に対して接種を実施するには、まず食薬処の許可が前提とならなければならない」とし「現在のところ、ファイザーのワクチンの接種年齢は12歳以上となっており、製薬会社の申請によって許可変更が行われるとみられる」と説明した。

 子どもや青少年はコロナに感染しても重症化したり死亡したりする確率が低く、ワクチン接種による異常反応の懸念に比べ接種で得られる利益はあまりないと指摘されている。実際に、国内ではこれまでコロナ感染による19歳以下の死者は出ていない。ただし、日常回復とともに子どもや青少年の感染者が増えており、22日から全面登校が始まれば感染者がさらに増えるのは避けられないため、接種の必要性に対する関心は高まっている。キム班長は「ワクチンの安全性はすべての年齢層で最も重要な要素」とし「臨床試験の結果をもとに許可の過程で検討が行われる予定だが、当局も綿密に見ていくつもり」だと述べた。

キム・ジフン記者、シン・ギソプ先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/health/1017979.html韓国語原文入力:2021-11-04 16:42
訳D.K

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