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文大統領「2030年、温室効果ガス40%削減」…国際社会に初めて公表

登録:2021-11-02 06:14 修正:2021-11-02 07:21
COP26の基調演説で 
「これ以上地球温暖化が進むのを防ぎ、
待ってくれた自然に応えるべき」
文在寅大統領が今月1日(現地時間)、英グラスゴーのスコットランド・イベント・キャンパス(SEC)で開かれた国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)に出席し、議長国のボリス・ジョンソン英首相(左)、アントニオ・グテーレス国連事務総長と話し合っている/聯合ニュース

 文在寅(ムン・ジェイン)大統領が1日(現地時間)、「2030年の温室効果ガス削減目標(NDC)をさらに引き上げ、2018年の排出量比で40%削減し、2050年までにカーボンニュートラル(炭素中立)を実現する」と述べた。韓国の温室効果ガス削減目標値を国際社会に具体的に公開したのは初めて。

 文大統領は同日、英国のグラスゴーで開かれた国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)特別首脳会議の基調演説で「これ以上地球温暖化が進むのを防ぎ、待ってくれた自然に応えられることを望んでいる」とし、このように述べた。最近、韓国政府は2050年までに石炭発電を全面的に中止し、温室効果ガス国内純排出量を「0」にすることを目標とする「2050カーボンニュートラルシナリオ」を確定した。これを受け、「2030温室効果ガス削減目標」が上方修正され、文大統領がこれを今回のサミットで公表したのだ。

 文大統領は「(今回のNDC上方修正は)従来の目標より14%ほど引き上げた果敢な目標であり、短期間に急激に温室効果ガスを削減しなければならない非常に挑戦的な課題」だとし、「韓国国民はまさにいま行動する時だと決めた」と説明した。2030年までに2018年の温室効果ガス削減量(7億2760万トン)に比べ40%削減するという目標を国連に提出するとしたが、これはすでに提出した26.3%削減案より13.7ポイント上方修正したものだ。

 文大統領はまた、米国、欧州連合(EU)、英国などが参加した「グローバル・メタン・プレッジ」に署名し、メタン削減努力に参加する考えも明らかにした。「韓国は2050年にカーボンニュートラルを法制化し、カーボンニュートラルのシナリオを発表した」とし、「2030年まで30%のメタン削減案も盛り込まれた」と述べた。今年8月に承認された「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)報告書」によると、メタンは地球温暖化全体の約30%を占める原因物質だ。大統領府は「グローバル・メタン・プレッジへの参加で、主要7カ国(G7)とともにパリ協定の実質的履行を主導していく契機になる」と述べた。

 文大統領はこれと共に、温室効果ガスを減らすための「山林および土地利用に関するグラスゴー首脳宣言」を歓迎し、開発途上国の山林回復に積極的に協力すると述べた。「木を育てて山林を生かすことは気候危機対応の重要な解決策であり、砂漠化を防ぎ、国境地域の平和を増進させることができる方法」とし、「南北山林協力を通じて朝鮮半島全体の温室ガスを削減していく」と述べた。来年5月に韓国で開かれる「世界山林総会」が成功するよう国際社会の協力を求めた。

 さらに文大統領は、世界の石炭削減の努力に参加する考えも明らかにした。文大統領は「今年末までに石炭発電所2基を閉鎖する予定」とし、「2050年までにすべての石炭発電を廃止する」と述べた。演説に先立ち、議長国である英国のボリス・ジョンソン首相の招請で開かれた「行動と連帯」会議で、文大統領は「開発途上国から先進国に発展した国として、先進国が望む『削減』と開発途上国が望む『適応と財源』がバランスの取れた合意に至るよう積極的に貢献する」と述べた。

 文大統領は締約国総会の開催のたびに「青年気候サミット」を定例的に開くことも提案した。文大統領は「気候危機の当事者である未来世代と既成世代がともに気候危機の解決策を探せば、持続可能な世界に向けた人類の歩みもいっそう速くなる」と強調した。

 文大統領はローマで開かれた主要20カ国・地域首脳会議(G20サミット)に出席した後、前日、英グラスゴーに移動して今回の首脳会議に出席した。2015年のパリ会議以来6年ぶりに開催される今回の特別サミットは「地球平均温度上昇1.5度抑制」という目標を達成する国際社会の最後の機会と言われている。

グラスゴー/イ・ワン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/bluehouse/1017555.html?_fr=mt1韓国語原文入力:2021-11-02 01:43
訳H.J

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