韓国政府が地球温暖化を誘発する主要温室ガスの一つであるメタンを削減するため、米国と欧州連合(EU)の主導で結成された「グローバル・メタン・プレッジ」(Global Methane Pledge)に参加する。
環境部は25日「気候変動を誘発する温室ガスの一つであるメタンを減らし、全世界の気候危機対応に参加するためにグローバル・メタン・プレッジに参加する」とし、「(参加を通じて)韓国の気候リーダーシップを強化し、パリ協定の1.5度目標達成のための国際連帯を拡張する契機になるだろう」と明らかにした。
グローバル・メタン・プレッジは「2030年までに全世界で排出されるメタンの排出量を2020年に比べて最低30%削減する」という目標を掲げ、今年9月に米国と欧州連合が主導して結成した国際的な枠組みだ。11日(現地時間)のロイター通信によると、カナダ、フランス、ドイツ、日本、英国、メキシコ、米国の計24カ国が同枠組みに参加している。韓国もこれまで、米国や欧州連合などから加盟を要請されてきた。グローバル・メタン・プレッジは、英国グラスゴーで来月1日から2週間開かれる第26回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)の首脳会議(サミット)期間中に発足式を行い、第一歩を踏み出す。
メタンは、農業や天然ガスの採掘といった人間活動によって発生する物質で、二酸化炭素(CO2)と並んで京都議定書で定義されている6大温室効果ガスの一つである。メタンの地球温暖化係数(GWP:CO2を基準に地球温暖化に及ぼす影響を数値で表現したもの)は21で、地球温暖化に与える影響がCO2の21倍に達する。今年8月に承認された「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」の第6回評価報告書によると、メタンは地球温暖化全体の約30%、つまり気温0.5℃上昇の原因物質であるという。同時にメタンは滞在期間が10年で、CO2に比べて相対的に短いため、積極的に削減した場合、パリ協定の目標達成に大きく寄与する。
グローバル・メタン・プレッジへの参加によって、韓国政府の従来のメタン削減計画が変更されるわけではない。2050炭素中立委員会は今月18日に発表した「2030国別温室効果ガス削減目標(NDC)」を上方修正し、メタン排出量を2018年の2800万トンから2030年には1970万トンに約30%削減する計画を示した。部門別に見ると、農・畜・水産部門で家畜糞尿エネルギー化施設の普及と低メタン飼料の開発などで250万トンを減らす。廃棄物部門では生ゴミの低減や非衛生埋立地の整備などにより400万トン、エネルギー部門では化石原料の使用の縮小、天然ガスの脱漏部門ではメタン排出量の再算定などにより180万トンを削減する。