韓国と米国の高官級協議が相次いで開かれ、文在寅(ムン・ジェイン)大統領が繰り返し提案している終戦宣言の推進をはじめとする北朝鮮との対話を再開する糸口を両国が見つけられるかに注目が集まっている。
16日(現地時間)、ロシア訪問を終えて米国のワシントンを訪問したノ・ギュドク朝鮮半島平和交渉本部長は、ダレス国際空港で記者団に「終戦宣言をはじめとする(朝鮮半島平和プロセスを再稼動するための)さまざまな案については、実務レベルのもう少し本格的な協議があることを期待する」と述べた。ノ本部長は終戦宣言については「今回、重要な対話再開のきっかけになり得る」と述べ、「朝鮮半島の完全な非核化と恒久的な平和の定着に入る対話の入り口として意味があると思う」と強調した。あわせて、「朝鮮半島情勢の安定的な管理」と「北朝鮮との対話の継続」において、終戦宣言が持つ「含意」などについて米国政府と議論する意向を表明した。
ノ本部長は、18日に米国のソン・キム北朝鮮政策特別代表との韓米核問題首席代表協議、19日には日本外務省の船越健裕アジア太洋州局長も加えた韓米日および韓日の北朝鮮核問題首席代表協議を行う。3国による北朝鮮核問題首席代表協議は、先月14日に東京で行われてから約1カ月ぶりで、韓米代表は、先月30日のインドネシアのジャカルタでの会合から18日後に再び会うことになる。
これ以外にも、先月21日の文大統領の国連総会での演説と金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記兼国務委員長の最高人民会議での施政演説(9月29日)以降、韓米の高官級協議が相次いでいる。
大統領府のソ・フン国家安全保障室長は12日、ジェイク・サリバン大統領補佐官(国家安全保障担当)に会い、終戦宣言についての政府構想を詳細に説明した。先月22日の国連総会を機に米国のアントニー・ブリンケン国務長官と会ったチョン・ウィヨン外交部長官は、5日に経済開発協力機構(OECD)閣僚理事会に参加したことを機に、再度韓米外相会談を要請し、略式で行った。15日には米中央情報局(CIA)のウィリアム・バーンズ局長が就任後初めて訪韓して文在寅大統領を表敬訪問したのに続き、アヴリル・ヘインズ米国家情報長官(DNI)も訪韓し、今週、韓米日の情報機関のトップ間で会合を行うことが明らかにされた。
南北関係を含む朝鮮半島情勢が変化する可能性も注意深く提起されている状態であるため、相次ぐ高官級会合が目を引いているが、ただちに意味のある進展を期待できる状況ではないというのが韓国政府側の説明だ。政府当局者は「それぞれ個別に進められている予定」だと述べ、偶然同じ時期の日程に決められたものだと理解していると語った。米国のジョー・バイデン政権が今もなお終戦宣言に対して慎重な態度を示している点も、そのような説明に説得力を与えている。ただし、北朝鮮との対話再開の方法について米国側も開かれた立場であることを明らかにしており、米国の情報機関のトップが訪韓した内幕は公表されていないため、“成果物”を断定するのは難しい。可能な限り任期内に終戦宣言を含めた朝鮮半島平和プロセスを進めようとする文在寅政権が、米国を説得する好機に活用するだろうという点は、比較的確かなものとみられる。