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韓国の国家安保室長、今週米国を訪問…南北米協議始動か

登録:2021-10-11 02:28 修正:2021-10-11 07:40
終戦宣言・ワクチン支援など協議するかに注目
4月2日(現地時間)、米ワシントン近郊のメリーランド州アナポリスにある米海軍兵学校で開かれた韓米日安保室長協議に出席したソ・フン大統領府国家安保室長(前列右)、米国のジェイク・サリバン国家安保担当大統領補佐官(中央)、日本の北村滋国家安保局長=外交部提供//ハンギョレ新聞社

 大統領府のソ・フン国家安保室長が今週中に米国を訪問する。

 複数の政府関係者が10日、本紙に対し「ソ・フン室長が今週米国を訪問する」と明かした。ソ室長が単独で訪米するのは、今年4月初めに開かれた韓米日安保室長協議以来6カ月ぶりだ。

 ソ室長の訪米は、先月のニューヨークでの国連総会を機に進められたものの実現しなかった米国のジェイク・サリバン国家安保担当大統領補佐官との対面での2国間協議を通じて、朝鮮半島情勢の解決策を調整するのが最大の目的とみられる。さらに、当初11月頃とされていたソ室長の訪米日程が今週に繰り上げられた背景も注目される。

 何よりもソ室長の訪米は、文在寅(ムン・ジェイン)大統領の国連総会演説(9月21日)や金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記兼国務委員長の最高人民会議での施政演説(9月29日)などを経て、南北関係を含む朝鮮半島情勢に微妙ではあるが重大な変化の兆しが見えている中で、韓米首脳の考えをよく知る高官の協議を通じて対話と交渉の動力を強化しようとする試みとみられる。文大統領が国連演説で3者または4者による終戦宣言を繰り返し提案したことに対し、北朝鮮側はキム・ヨジョン労働党中央委副部長の連続談話(9月24、25日)と金正恩委員長の施政演説によって、南北直通連絡線を復元(10月4日)するなどで応じた。米国のジョー・バイデン政権の相次ぐ「条件なき対話」の提案を含めた韓米の対話要求に長く沈黙してきた北側の意味深長な変化だというのが政府内外の評価だ。

 これまで文在寅政権は、こうした流れを作るために韓米外相会談および韓米日外相会議(9月22日)、韓米北朝鮮核問題首席代表協議(9月30日)などを通じて、北朝鮮との意味ある信頼構築措置として終戦宣言は有用だと米国側を説得してきた。チョン・ウィヨン外交部長官が、国連総会出席のための訪米を機に行われた米国の外交問題評議会(CFR)主催の対談と「ワシントン・ポスト」のインタビューで「北朝鮮に対する制裁緩和を検討する必要性」を繰り返し強調したことも、こうした脈絡から理解する必要がある。チョン・ウィヨン長官は今月5日(現地時間)にアントニー・ブリンケン国務長官と経済開発協力機構(OECD)閣僚理事会を機に行われた韓米外相略式会談(pull-aside meeting)で、北朝鮮の反応などを追加説明したという。

 ただし、文在寅政権が終戦宣言を糸口として朝鮮半島平和プロセスを再稼働させようと積極的に動いているのに比べ、バイデン政権はまだ「緊密な意思疎通を続けることに同意」するという程度の慎重な態度を固守している雰囲気だ。バイデン政権は、公式には南北の対話と協力を支持すると繰り返し強調する一方で、韓国政府の攻勢的な対米説得に不満をほのめかしているとも言われる。そのような背景から、外交界隈の一角ではソ室長の今回の訪米は一種の「収拾」の観点から行われる側面もあるとみられている。

 ただ、任期中の終戦宣言を含め、できるだけ朝鮮半島平和プロセスを急ごうという文在寅政権の意志は明確なだけに、ソ室長は今回の訪米で終戦宣言や北朝鮮へのワクチン支援などの対話再開に向けた実質的な方策について、米国側とのコンセンサスを深めることに力を注ぐだろうとの観測が優勢だ。

キム・ジウン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/diplomacy/1014588.html韓国語原文入力:2021-10-10 17:44
訳D.K

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