米国を訪問中のソ・フン大統領府国家安保室長は、「米国側と終戦宣言を含め、南北、朝米関係について包括的に意見を交わす計画だ」と述べた。今月初めに北朝鮮が南北直通連絡線を復元した中、北朝鮮を南北および朝米対話のテーブルに誘導する案について話し合うものとみられる。
ソ室長は11日(現地時間)、ワシントン近隣のロナルド・レーガン国際空港に到着し、記者団に「南北間の連絡チャンネルが再び稼働しており、(米国側と)南北関係や朝米関係を点検し、全般的な協議が必要な時だとみている」と述べた。
ソ室長は12日、カウンターパートのジェイク・サリバン大統領補佐官(国家安全保障担当)と会談する予定だ。訪米は4月初めの韓米日安保室長協議以来6カ月ぶり。
ソ室長は朝鮮戦争終戦宣言に関して、米国の前向きな反応が期待できるかという記者団の質問に「終戦宣言もその一部になり、それを含めて協議することになるだろう」と答えた。
また対北朝鮮制裁緩和問題も話し合うかについては「非核化交渉が進められれば、制裁緩和問題も共に協議されるべき事項」だとし、「とにかく全般的に米国と議論を深めるつもりだ」と述べた。南北対話については「南北関係はまだ本格的に始まっていない。そうした問題も全般的に話し合う予定」だとし、「近いうちに(南北関係が)始まるのではないかと思う」と述べた。
ソ室長の訪米は、政府が最近、南北間で形成された対話ムードを動力にして、朝鮮半島平和プロセスの再稼動に乗り出した中で実現した。
文在寅(ムン・ジェイン)大統領が先月21日の国連総会演説で、朝鮮戦争終戦宣言を繰り返し提案したことに対し、北朝鮮側は24日と25日のキム・ヨジョン労働党中央委副部長の談話で終戦宣言を前向きに評価し、今月4日には金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長の指示により南北直通連絡線を復元した。チョン・ウィヨン外交部長官は先月30日に公開されたワシントン・ポスト紙とのインタビューで、米国が北朝鮮に終戦宣言など具体的なインセンティブを提示する必要があると述べており、今月1日の国政監査では「(対北朝鮮)制裁緩和も検討すべき時が来た」と述べた。一方、米国政府は北朝鮮に対する人道的支援の意思は強調しながらも、終戦宣言や制裁緩和には留保的な態度を示している。