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心筋炎が心配…うちの子、コロナワクチン接種すべき?ー韓国の専門家によるQ&A

登録:2021-09-28 02:36 修正:2021-09-28 08:37
予防接種専門委員会のチェ・ウンファ委員長(ソウル大学子ども病院小児青少年科教授)が27日午後、忠清北道清州市の疾病管理庁で開かれたコロナブリーフィングで、小児・青少年の接種に関する専門家の見解などの主な内容を説明している。右はチョン・ウンギョン疾病管理庁長/聯合ニュース

 韓国でおおよそ小学校6年生から高校2年生に当たる12~17歳の小児・青少年に対する接種が10月から始まることで、親の苦悩も始まった。防疫当局は、小児・青少年の場合、接種のメリットはそのリスクより圧倒的に高いわけではないと説明している。ただし、健康な小児・青少年も新型コロナウイルスに感染すれば、まれに重症化したり多系統炎症性症候群などが発生したりする可能性があるため、接種が必要となりうるとともに、まれに発生する心膜炎と心筋炎はほとんど治療できると説明する。27日に疾病管理庁は、国民の質問を受け専門家が答える場を設けた。以下は主な内容に対する一問一答。

-小児・青少年がコロナワクチン接種を受けるべきなのはなぜか。

予防接種専門委員会のチェ・ウンファ委員長(ソウル大学子ども病院小児青少年科教授、以下チェ):「世界的にも国内でも成人の接種率が高まったことで、コロナと診断された人に占める小児・青少年の割合が相対的に高くなっている。米国、日本、カナダなどのほとんどの国では、12歳以上のすべての小児・青少年に対する接種を実施している。糖尿や肥満などの内分泌、慢性腎臓、慢性呼吸器、心血管、神経系疾患や免疫低下などの基礎疾患がある小児・青少年は、重症や死に至る危険性が高いとされている。健康な小児・青少年も、まれに重症化と多系統炎症性症候群などの合併症が見られることがある。また、隔離と登校中止による学習権侵害、心理的な萎縮などの精神の健康に対する否定的な影響など、多様で深刻な影響を受けている。コロナ予防接種は小児・青少年本人に対する予防であるとともに、学校と地域社会での流行を抑制しうるものだ」

-小児・青少年の接種はどの程度危険なのか。

チェ:「危険には、ワクチン接種後のアナフィラキシー(重症アレルギー反応)や心筋炎・心膜炎などのまれに発生する重症の異常反応などがある。接種を受けた86万人の16~18歳のうち、心筋炎・心膜炎と確認されたケースは、外来治療を受けた人が5人、入院治療が10人の15件あったが、いずれも回復してすでに退院している。米国では1000万人の小児・青少年に対する接種後、心筋炎は12~15歳では10万件当たり2.09件、16~17歳では3.4件発生しているが、ほとんどは適切な治療で好転している。あらゆるメリットとリスクを比べてみたとき、基礎疾患のない小児・青少年にとってもメリットの方がリスクより大きい。ただし、成人のように(メリットがリスクを)圧倒的に上回っているわけではないため、接種を強く推薦してはおらず、接種を希望する小児・青少年と両親に選択の機会を提供するものだ」

-中長期の副反応について、より多くの研究結果が出るまで待つべきなのでは。

チェ:「中長期的な安全性に対する懸念があるのは確かだ。しかしこうした不確実性のために、個人のコロナ予防効果を得る機会と学習権侵害や心理的萎縮から脱する選択の機会を完全に排除することもまた望ましくない、というのが予防接種専門委員会の判断だ」

-小児・青少年に現れる特別な異常反応や副反応はあるか。

大韓小児心臓学会のキム・ヨヒャン社会協力理事(漆谷慶北大学病院小児心臓科教授、以下キム)「成人とほぼ同じだ。一般的な異常反応としては接種部位の痛み、悪寒、発熱、筋肉痛、関節痛、頭痛が発生しうる。重大な異常反応としては心膜炎と心筋炎がある。主に16歳以上の青少年男子と若い成人男性で、2次接種後に多く発生する。接種後数日以内に発生し、大半は治療を受けて早期に回復している」

-小児・青少年が大人よりも注意すべきことはあるか。

チェ:「基本的には成人と同じだ。健康状態が良い時に接種を受けなければならず、接種前には医師の予診を受けなければならない。コロナ感染が疑われるか感染していた場合、発熱などの症状がある場合、1次接種後に心筋炎や心膜炎が発生した場合は、接種を延期する必要がある。接種後は30分間、接種機関にとどまって異常反応がないか確認する。帰宅後は3時間、注意深く観察する。1週間は激しい運動や身体活動を避ける。接種部位は清潔を保ち、普段は見られなかった症状が現れたり、既存の症状が悪化したりした場合は、医師の診療を受けなければならない」

-小児は表現力が発達しておらず、異常反応が発生しても周りが把握するのが難しい可能性もあるが。

キム:「発達障害や機械依存状態の小児・青少年などは、自分の症状を表現できないということもありうる。保護者は、接種前後に発生しうる症状について説明した案内文を熟知しておくべき。接種の2日後までは子どもを注意深く観察する必要がある」

-すでに接種を終えた高校3年生の予防効果はどうか。

キム:「韓国での16~18歳の接種の結果、コロナ感染予防効果は95.8%だった。接種完了群における重症者と死者は0人で、重症化と死亡の予防効果は100%だった。最近、デルタ株の流行によって感染者が増えている中、ワクチン接種を受けた高校3年生の場合、感染者は著しく減少した一方で、高1~2では感染者数が増加傾向にあるため、予防効果が大きく表れている」

-英国では1次よりも2次接種で副反応がより多く発生したため、12~17歳の小児・青少年には1回のみ接種するというが。

キム:「最近報告された米国の統計によると、接種100万回当たりの心膜炎と心筋炎の発生リスクは、12~15歳が1次接種後に2.6件、2次接種後に20.9件で、16~17歳が1次接種後に2.5件、2次接種後に34件だった。しかしほとんどの患者はすでに回復している。韓国ではワクチンの勧告事項通り、2回の接種を計画している」

-小児・青少年は成人と同量のワクチン接種を受けるのか。

チェ:「同じ量(希釈後0.3ミリリットル)のファイザーのワクチンの接種を受ける」

キム・ジフン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/health/1012892.html?_fr=mt1韓国語原文入力:2021-09-27 16:58
訳D.K

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